中公文庫<br> サド侯爵の生涯 新版

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中公文庫
サド侯爵の生涯 新版

  • 著者名:澁澤龍彦【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 中央公論新社(2020/09発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122069183

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内容説明

『悪徳の栄え』の著者、サディズムの祖として知られるマルキ・ド・サド。
この公序良俗に対決しつづけた18世紀フランスの貴族の生涯を、誕生から性的醜聞、幽囚生活、孤独な晩年まで描ききる。
無理解と偏見に満ちた従来のイメージを覆し、サドの実像を捉えた、著者渾身の作にして、三島由紀夫『サド侯爵夫人』の典拠となった画期的評伝。
〈解説〉出口裕弘

【目次より】
第一章 誕生より結婚まで(一七四〇―一七六三年)
第二章 リベルタンの出発(一七六三―一七六七年)
第三章 アルクイユ事件の周辺(一七六八―一七七二年)
第四章 マルセイユ事件の周辺(一七七二―一七七三年)
第五章 ラ・コストの城にて(一七七三―一七七八年)
第六章 ヴァンセンヌの鐘楽(一七七八―一七八四年)
第七章 自由の塔(一七八四―一七八九年)
第八章 革命とともに(一七八九―一七九二年)
第九章 恐怖時代に生きる(一七九二―一八〇〇年)
第十章 精神病院の晩年 (一八〇一―一八一三年)
第十一章 死 (一八一四年)

補遺(1) 死後の評価
補遺(2) その生涯の最後の恋
補遺(3) ジャンヌ・テスタル事件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

駄目男

15
澁澤龍彦という作家は博覧強記だろう。哲学、思想、歴史はもとより関連書物を原書で読むなど、その幅広い知識には着いていけない。サドとはサディズムの語源になった名前だが、一体にサド侯爵は何をしたのか。性的プレーの名前として後世に残るぐらいだからよっぽどのことをしたのだろう。 例えば舞踊界を主催して、食後にチョコレートを配り、誰もが色情的な淫乱な気持ちになるカンタリスというものを混ぜ、慎み深い女性までもが、子宮の疼きに耐えられなかったとあるから、よっぽど効き目の強いものなのだろうが、それらの行為が祟り、2022/07/10

冬憑……(ふゆつき)

9
マルキ・ド・サドに関して、作品以外の事を何も知らなかった。いつもフューチャーされるのは、その変態的文学とサドマゾの語源となった名前、晩年監獄に閉じ込められ、溢れ出る創造の渦にのまれ、憑かれた様に「ソドムの百二十日」や「新ジェスティーヌ」などを書き連ねたという程度。 何故サドが収監されたのか、どういう人生を歩んだのか、サドとは何者なのか。 これは、我が国サド翻訳のトップランカー、澁澤龍彦による濃厚な物語である。 2020/10/10

刳森伸一

8
マルキ・ド・サドを日本に周知させ、自身も多大な影響を受けた澁澤龍彦による評伝。澁澤のエッセイには軽い感じなものも少なくないが、これは初期の本格的な評伝で、澁澤のサドに対する情熱がヒシヒシと伝わってくる。サドの意外な生涯を浮かび上がらせることに成功した快著だと思う。また、サドの著作がその残虐性にも関わらず、今もなおフランス文学の中で重要な地位を占める理由の一端もうかがえる。とはいえ、本書はあくまでもサドの生涯に着目したものであり、サド文学についての評論として期待すると肩透かしを食らうかも。2021/01/06

コウみん

3
フランスのエロティズムを起こしたマルキ・ド・サド。 澁澤は大学時代からマルキ・ド・サドの世界観に興味を持ち、日本にサド侯爵の作品を翻訳してきた。この本は澁澤のサド侯爵研究でもある本だ。 彼の変な性行為。そして、その行為より長い年を監獄に閉じ込められいた。フランス革命の時に釈放され、政治活動でギロチンに処刑される危機もあったが、何とか助けられたらしい。最後は精神病院で寂しい死を迎えたが、波乱満場の人生を生きてきた彼の人生は多くの作家と心理学者に影響を与えた。2021/03/31

入江大和

2
名前しか知らなかったサド侯爵が、フランス革命の真っただ中に存命し、しかもあのバスティーユに入獄していたとは!驚きでした。現在だったら金持ちのドラ息子の起こした不適切な乱痴気パーティ、示談が成立し、何事もなく生きて行けたかもしれないのに。いや、無理か、反省という言葉を知らず、というか、自分は悪いことしている自覚なかったし。ルネ夫人が、出獄した侯爵と会わなかった気持ちは良く分かります。牢獄にいて自分だけを頼っていた可愛い男は、晴れて自由の身になってしまい、二度と自分のものにならないから。それに尽きます。多分。2021/03/01

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