内容説明
「死」とは何か。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教などの一神教はもちろん、ヒンドゥー教、仏教、儒教、神道など、それぞれの宗教は、人間は死んだらどうなるか、についてしっかりした考え方をもっている。本書は、知の達人であり、宗教社会学の第一人者である著者が、各宗教の「死」についての考え方を、鮮やかに説明する本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
112
題名は「死」ということで若干引く方もいられると思いますが、中高校生向けに書かれた宗教についてのわかりやすい本だと思いました。私は哲学がほとんど苦手でなのですがこのような本だと比較的理解が進みます。この分野についての世界各地での考え方やその歴史的な観点からの流れを説いてくれます。特に日本人の死についての考え方は参考になりました。2025/05/06
trazom
92
「死の講義」と言うより、西洋の一神教、インドの宗教(バラモン、ヒンドゥー、仏教)、中国の思想(儒教、道教)、日本の死生観(神話、神道、念仏宗、禅宗、法華宗、江戸儒学、国学)を、「死」を切り口に解説したという一冊。各思想を余りにも単純化しすぎという懸念はあるが、「中学生でも読めるように、わかりやすく書く」という宣言通りの丁寧な記述である。死に無頓着な儒教、地獄を意識する道教、黄泉の国の国学、永遠の命の一神教、輪廻のヒンドゥー教など、選り取り見取りの死生観を紹介した上で、橋爪先生の結論は「自分で決めなさい」。2020/11/26
にいたけ
45
「いよいよ死にそうになった時には、じっくり考える時間がありません。気力も体力もないかもしれない。そうするうち、死んだらどうなるかもはっきりしないまま、死んでしまう。もったいないことです。せっかく死ぬのに」はじめにの一文が心に響いた。世界は死をどう捉えてきたのか中学生レベルの文章でわかりやすく解説。一神教の人が40億いるとか中国に神はいないとか神道解釈の政治利用とか目鱗いっぱい。世界の捉え方がこんなに異なる人達がいることがわかったことが一番の収穫。手元に置いて何度もよみたい良書☺️2024/06/22
こまり
28
いつだったか、新聞で紹介されていて面白そうと思い読んでみた。他者の死は経験できるが、自分自身は死を経験することは出来ない。経験した途端に存在しなくなるのだから。「死は必ず生きている途中でやってくる。でもそれが、終わりである。途中なのに終わり。……これに立ち向かうには、いつ終わってもいいように生きる、これしかない。」本当にそう思う。でも、そんな覚悟もないまま日々を生きているなぁ。そして急に終わりになるのかなぁ。命って何だろう。宇宙の不思議を感じる。2023/03/06
テツ
25
人は絶対に死というイベントを体験することはできない。かろうじて触れられるのは他者の死であり、他者が死んだ後にも変わりなく続いていくこの世界だけだ。だからこそ世界各国の宗教は死について様々に説明しようとしてきた。死について説くこと。それにより苦しみと不安を和らげることは、かけがえのない生を見つめ直し、考え直し、より良く生きることに繋がる。しっかりと自分なりに考え抜いて、死と向き合い続けてきた先人たちの発明の中から好きなものを選ぶといい。それがあなたにとっての死の在り方だ。そしてそこから生の在り方も見つかる。2021/01/13
-
- 電子書籍
- ゆうゆう2022年10月号
-
- 電子書籍
- 瞳のなかの永遠【分冊】 7巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- しあわせな出会い【分冊】 2巻 ハーレ…
-
- 電子書籍
- まんがグリム童話 ブラック Vol.2…
-
- 電子書籍
- ラディカルCC 2巻