内容説明
「ようやく、来たんだねえ」
ある日、祖母に届いた謎の花。
漢字五文字の見知らぬ送り主は…(「花筐」より)
不可解で、不穏。奇抜で、リアル。魅惑の全37話収録!
公募実話怪談大会「怪談マンスリーコンテスト」より新たな才能が発掘された。
一風変わった怪を独自の目線でじっくりと観察し、飄々とそれを綴る…そんな鈴木捧の単著デビュー作。
●廃墟マンションに残されていた仏壇の花瓶。瓶の底を覗き込むと何かが…「花瓶の中の世界」
●クラスの暴君からいじりにあっていたU君。宇宙人と揶揄されてから彼の様子が一変する…「宇宙人の涙」
●公園の林で見つけたアリジゴクの巣に似たもの。中心の穴に指を入れると…「指の話」
●繰り返し見る絶滅動物の展示室の夢。実在する博物館だが、実際にはない展示が一つあって…「百年後の未来」
…ほか、魅惑の37話収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
77
実話怪談集。所謂奇妙な話が中心にまとめられている。正直怪異自体は大した事がないのばかり。ただ本書の凄いのはその大した事のなさを描いた時の空気感。身辺雑記を綴ったエッセイみたいにさらっとした書き方なのだが、読み終えた後でどこか不穏な物がいつまでも残っている、そんな作品ばかり。上善如水というけど水を飲んだ後でそこに酒や酢が混じっていた事に気が付くような違和感が感じられる。一つ一つはの怪異は大した事なくても書き方一つでこうも変わるものか。どこにでもある材料を上手に調理された感じで、正直こういう作風好きである。2020/10/22
あたびー
43
この本が作者の最初の本らしい。最新のものを含めて3冊読んだが、スタイルは一貫している。私は心霊スポット行ったとか幽霊出たという話より不思議系が好きなのだが、作者の本には両方含まれる。更に本当に怪談なのかどうかと思える話も含まれている。しかし作者は自分の考えを所々に挟んでおり、それを読むとなるほどと思ってしまうのである。山で巨大な女性に出会う話は他の怪談蒐集者の方の本でもいくつか読んでおり、この本でも読むことが出来て良かったと思う。水木しげるの妖怪本には山男というのは出てくるが、この巨大な人は女性である。2023/12/04
坂城 弥生
38
山にまつわる類似の話が興味深かった。2020/12/01
澤水月
17
腐敗魚、花筐、指きりなど終盤良い。ただ自分の頭が悪いのか? 意味が…怪談としてのツボがどうしても分からない、組み立てがこなれない章が散見された、「幽霊じゃないんで」など。作者の年齢は文中推察するに流行時「オンタイムじゃない」んだろうなという「裏々ビデオ」はかつてヒソヒソ語られたスナッフを巡る都市伝説のようだが、ディテールで首を捻りたくなる(自分は転売しないセドリ的なことしてたが…)。こういう風に文化は興亡し廃れていくのかなど変な感慨。ベテランも苦戦してるのにコロナ下の単著デビューは大変そう2020/10/12
雨
16
初めての作家さん。山がお好きな方だそうで山の怪談もいくつか。怖いより不思議な話が多いかな。2020/11/05
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