内容説明
「あの部屋、一人死んでるらしいよ」
引っ越し先に選んだのは、最凶の事故物件だった…「四階の部屋」より
大人気怪談DJが、日常の影、恐怖体験の深部を暴く、地下〈アンダーグラウンド〉怪談第2弾!
DJとして活動する傍ら怪異を追究する怪談蒐集家・響洋平が綴る地下〈アンダーグラウンド〉怪談第2弾!
●暗い夜道をひとり走行中に悍ましい怪に遭遇する恐怖…「峠道」
●不気味な老婆に憑かれた少女の除霊を試みるも奇妙な因縁が明らかに…「読経」
●廃墟を改装したドイツのクラブ、恐ろしい異形が巣食うその場所には陰惨な歴史が蓄積していた…「ベルリンの幻影」
●何故かこの話だけ上手く語れない――著者本人がそう記す本気で障る禁忌の怪談…「夜の慟哭」
――等、22篇を収録。
地下深くから響く断末魔の叫び声があなたにも聞こえるか……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
54
幽霊や他の人に見えないものが見えるというのは何処に働きかけて見えているのか。という考察や、宗教観などで怪談の語り方が変わるというのが特に興味深かった。 ドイツのクラブの話は人の想いがまたマイナスの想いを引きつけているようで怖かった。2021/03/03
雨
17
表題作でもある「慟哭」、「ベルリンの幻影」が印象深い。2020/11/10
さりぃ
15
#地下怪談 慟哭 #響洋平 KindeUmlimitedで読了。 確かこの方の本二冊目。 前回もそうだったが、書き口が読みやすく好み。 『轢き逃げ』『ベルリンの幻影』『侵入者』 辺りが怖い。 侵入者、はあの有名な三角マンションなんじゃないかと思うんだけど。。。2020/10/31
澤水月
11
DJらしい海外のクラブ周り怪談が実に面白い。特に「ベルリンの幻影」はWW2の暗い歴史…だけではない筆運びが秀逸。音楽関係者の周りには昔も今も不思議現象や好事家多いので色々と実話怪談における新たな道ひらけていきそう。前著より考察パートが減って活字の文としては読みやすくなった。2020/10/09
qoop
10
DJである著者がクラブなどで見聞きした怪談の数々。クラブを訪れる客層の多彩さからバラエティに富む内容だが、体験者の人となりを伝えるためかクラブで話しかけられるなどの冒頭シチュエーションが似通っていて損をしている印象も。もっとも著者自身、工夫を凝らしている様子は窺えるのだが。今巻の白眉は本業に因んだ〈ベルリンの幻影〉。廃墟を改装したクラブで著者自身が体験した複数の怪異を書いた本作は、舞台も背景もヨーロッパらしさが横溢した佳品。2020/10/02