内容説明
憲法改正をめぐる議論は多い。しかし本来ならばそれと腑分けし、分け入るべき憲法解釈の議論をどれだけ重ねてきただろうか。そこに落とし穴はないか。憲法改正の限界を憲法解釈の約束事のなかに見出す巻頭論文のほか、国民、政治部門、裁判所、天皇それぞれがする憲法解釈の諸問題に、「憲法解釈権力」という新たな視座から迫る。
目次
序
I 解釈という権力
1 憲法を解釈する権力
II 権力の叡智
2 「憲法の番人」に関する考察
3 九条訴訟という錯綜体
III 権力に応じた義務
4 《通過》の思想家 サンフォード・レヴィンソンの憲法理論
5 裁判官の責任とは何か
6 法学原論の見えない系譜――[書評]小粥太郎著『民法学の行方』
7 立憲主義のゲーム
IV 権力者の錯覚
8 「人事」を尽して我意に任す
9 憲法解釈権力──その不在に関する考察
10 内閣の憲法解釈
11 権力者の自己言及
12 「最高権力者」の自己言及
13 天皇の憲法解釈
初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あいうえお
2
紙でも買ったのにKindleにて読了。お昼休みに帰った自室にて。終局的には最高裁判所が憲法解釈(有権解釈)を行うことに異論は(あんまり)ないところ、なかなか法律上の争訟にならないことも多く、一義的には内閣が憲法解釈をすることとなり、そうすると自分を拘束すべきものの意味内容を自分で決めるというアポリアに陥るということ。閣議決定で憲法解釈の変更を行えるのか、という話も重い話。2022/03/28
フクロウ
0
安倍一強と呼ばれた政治権力集中の下でなされた集団的自衛権の行使を容認する政府の憲法解釈変更を巡る内閣法制局の「攻略」の問題や、安倍一強=国民主権シンボルのカウンターバランスとしての「象徴」天皇という実践など、近時の立憲主義の問題を根底から考える本。新平安法制の憲法解釈の変更絡みでは(1)内閣法制局自身の論理解釈の貫徹と(2)内閣による法制局解釈の尊重の双方が第二次安倍政権下で崩された様が「最高権力者」発言の真の問題として描き出される。菅首相による日本学術会議6人任命拒否にまで連なる反立憲主義の系譜。2021/09/24
葛
0
2020年2月20日第1版第1刷発行 2020年4月20日第1版第2刷発行 著者:蟻川恒正 発行者:井村寿人 発行所:株式会社勁草書房 平文社・松岳社 定価:本体3000円+税2020/11/01
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