内容説明
網の中(インターネット)にひそむ悪魔をあぶり出せ!
『13・67』の著者、渾身の勝負作
自宅アパートの22階から飛び降り自殺した女子中学生シウマン。
彼女は通学電車の中で痴漢事件に巻き込まれ、犯人と目された男の甥からインターネット上で攻撃を受けていた。
ネットの誹謗中傷が彼女を死に追いやったのか?
自分の知らない世界で妹を脅かすどす黒い悪意の存在を知った姉のアイは、変わり者だがネット専門の凄腕探偵・アニエを説得し捜査を依頼した。
だが、アニエの調査の結果、次々に意外な事実が判明し、事態は混沌としていく――。
貧富の格差著しい香港を舞台に、ネットリンチや痴漢冤罪やダークウェブなどなど、我々日本人も同じように抱える社会問題を背景に、現代社会における人間の善悪を問う。
前作『13・67』で香港の現代史を俯瞰した著者が〈いま現在の〉香港の光と影を描き切った、華文ミステリーの最高峰!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
192
読み友さんのレビューに誘われて…開いた途端に上下2段に気持は萎えて、おまけにカタカナ多くて挫折かもと読み始める。ネットの仕組み等、いまだにアイ以上に理解できない私だが(かなりスルーして)読み切った~そして案の定騙されて心地いい読後感だった。もうあの兄がアイツだとばかり…香港が舞台だもの漢字も多く、間違った読み方もそのままに読み進んでも無問題(汗)便利で怖いネットの世界だが、結局は使い方、使う人間次第なんだよね。どこかでまた、アニエに会いたいな。2021/02/26
みっちゃん
190
ああ、やられた!タイトルは作者の造語「ネット」の「中」の「人」という意味とか。事実無根の中傷をネットに書き立てられて命を絶った妹を「殺した」犯人を暴く。でも依頼した探偵がいかにも胡散臭くていけすかない男。主人公のネットに関する頓珍漢な質問はそのまま、私の言葉である。やがて明らかになる真相は、これは主人公には辛いよなあ…とため息つきながら頁を捲った最終章、マジで驚いたよ。嘘でしょう⁉️作者のミスリードにまたまんまと嵌められていた。が、そんな自分が「こりゃあいっそ気持ち良いわ」と思えるスッキリ!の読後感だ。2021/01/26
ちょろこ
164
情報網の中をかいくぐる一冊。妹がネットいじめで自殺…姉のアイが探偵アニエの力を借りて死の真相に迫るミステリ。ネット社会、膨大な情報網に潜り込み幾重にも張り巡らされた網をかいくぐるような気分を楽しめた。スルッと頭の中に仕組みや暗部が入り込んでくるのはもちろん、緻密な網の中の細い糸をスルッと掴み真相に迫る過程は実に面白い。すんなり辿り着いたかと思いきや、まだまだ!を味わえ、最後はアニエと結末に爽快感なるものを得られた。現代人としてネット社会での心得ていくべき数々の言葉、姉妹のせつない心情と読み応えのある作品。2020/12/18
とん大西
140
IT系偏差値が私の場合だと原始人レベルなので、最初は少し戸惑いました(^o^;)。でもでも…中盤から後半にかけての怒涛の畳み掛けにもう頁を捲る手が止まらない。姿なき画面の向こうの誰か。ネット炎上で死に追いやられた妹の仇を討つべく躍起になるアイ。犯人探しを請け負った鬼才の探偵アニエ。ネットに潜む悪意と漂う偽善が彼らの捜査で露になる。500頁が苦にならないストーリー展開と読後の爽やかな余韻。大技小技のトリックも油断なく効いていてミステリーの醍醐味も堪能できる。年末年始にオススメかも。2020/12/27
たいぱぱ
99
これまた凄い作品だ!大傑作「13・67」を産み出した陳浩基さんの新作。学校で、ネットで誹謗中傷に晒され自殺してしまった中学生シウマン。彼女を自殺に追い込んだのは誰か?現在社会が抱える闇に切り込む悲しい物語なのに、とてつもなく面白い。真相に迫るにつれ復讐に燃える姉・アイの心はどう動くのか?そしてネット網を駆使した探偵アニエの手法に驚嘆すると共にネットの脆弱性と自分のガードの甘さが怖くなる。ただこの作品はそれだけではない。隠したい人間の深層心理を自然と僕らに示す陳さんの手腕に「凄い!」と思わずにいられない。2021/09/21




