内容説明
推理小説ファンが最後に犯罪実話に落ちつくように、怪奇小説愛好家も結局は、怪奇実話に落ちつくのが常道である。なぜなら、ここには、なまの恐怖と戦慄があるからだ――伝説の〈世界恐怖小説全集〉最終巻のために、英米怪奇小説翻訳の巨匠・平井呈一が編訳した幻の名アンソロジー『屍衣の花嫁』が、60年の時を経て、〈東西怪奇実話〉海外篇としてここに再臨! 怪奇を愛し霊異を尊ぶ、古き佳き大英帝国の気風がノスタルジックに横溢する、遠き世の怪談集。ハリファックス卿やE・オドンネルら、英国怪奇実話を代表する幽霊ハンターが集結!【収録作】1「インヴェラレイの竪琴弾き」/「鉄の檻の中の男」/「グレイミスの秘密」/「ヒントン・アンプナーの幽霊」/「エプワース牧師館の怪」/「ある幽霊屋敷の記録」/2「死神」/「首のない女」/「死の谷」/「女好きな幽霊」/「若い女優の死」/「画室の怪」/「魔のテーブル」/「貸家の怪」/「石切場の怪物」/「呪われたルドルフ」/「屍衣の花嫁」/「舵を北西に」/「鏡中影」/「夜汽車の女」/「浮標」/3「ベル・ウィッチ事件」/解説=平井呈一/新版解説=東 雅夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
97
平井貞一が訳した怪奇小説の実話ということで、あまり極端な怪奇小説は少ない感じです。私は昔、社会思想社から出されていた牧逸馬(丹下左膳の作者の林不亡の別名です)訳の作品集を読んだことがあり、その方がもう少し読みやすく面白かったように感じました。ただ作品が短編ながらも数多く結構楽しめました。2024/02/07
HANA
68
主に十九世紀英国で起きた怪奇実話を収録したアンソロジー。三部に分けられていて、第一部ではいかにも英国らしい屋敷に出る幽霊譚を収録。興味深いが定型文みたいな幽霊ばかりなので読んでいると少々飽きる部分も。その意味では様々な事件を取り扱った第二部の方が怪奇小説らしくて面白いかな。「呪われたルドルフ」とかオチまでしっかりとしているし、「魔のテーブル」等奇想小説といってもしっくりくるほど。三部はアメリカで起きた心霊事件の報告書、江戸時代の「池袋の女」を思い出す。実話を謳いながら古き良き英国怪談といった趣でした。2021/01/26
sin
65
3つのパートで構成されていて、Ⅰ はドキュメンタリー、Ⅱ は実話怪談、Ⅲ はある有名なポルターガイストの実例に関する講演…Ⅰ のドキュメンタリー以外でも数多く散見される次の現象…音がする、気配がする、物が動くは日本なら妖怪の仕業に分類されそうなものだが、欧米諸国では正統性を持ったゴースト現象だ。Ⅱ は読み物としてちょうどいい。Ⅲ は誤った見識に縛られた知識人が理論的に語ろうとして主観に溺れた分析の展開を見る。といったところか?それはともかく短編と短編の間に差し挟まれた故平井呈一氏の蔵書影が興味深い。2022/08/15
坂城 弥生
44
Ⅱの短編がちょうどいい長さで読み応えがあった。全体的に時代を感じるけど日本と世界の習慣や文化の違いも興味深かった。2020/11/25
あたびー
36
#日本怪奇幻想読者クラブ 平井呈一翁による欧米実話怪奇譚のアンソロジーを長い時間を経て読めるということは、酷い2020年の中で幸せベストテンに入る出来事だといったら大げさかな?先ずはハリファックス子爵が聴き取り収集した怪異を集めた中からの抜粋。これはできるだけ聴いた通りを伝えようとしながら自分なりの推理などを交えていて却って臨場感がある。その後は小説風味のバラエティ溢れる怪談が続き、最後にアメリカ最大の怪異として映画化もされた「ベル・ウィッチ事件」について心霊博士による顛末と考察で締めくくられる。2020/10/13
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