筑摩選書<br> 3・11後の社会運動 8万人のデータから分かったこと

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筑摩選書
3・11後の社会運動 8万人のデータから分かったこと

  • ISBN:9784480016980

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内容説明

ピーク時には1カ月で延べ100万人が参加した反原発デモ。国会前や各地で繰り広げられた反安保法制デモ―。1970年以降、社会運動が退潮していった日本で、3・11後に大規模デモが復活したのはなぜか。どのような人が、どのようなきっかけで参加したのか。大規模デモが発生し持続し得た理由を、約8万人のデータを用いて多角的に分析し、新たな知見を導き出す。3・11後の大規模デモと、これからの社会運動を考える上でも示唆に富む労作の誕生!

目次

はじめに
第1章 個人化時代の社会運動──目覚まし時計としての三・一一 佐藤圭一
1 原発事故と反原発運動の隆盛
2 誰が反原発になったのか
3 どれくらいの人が反原発運動に参加したのか
4 誰が新しい参加者なのか
5 個人化時代の新しい運動の担い手たち
第2章 抗議の波の到来?──誰がいつ参加したのか 樋口直人
1 反原発から反安保法制へ──抗議の波の到来?
2 デモへの参入と退出の小史──誰が参加したのか
3 なぜ参加するのか──デモと社会意識
4 デモへといざなう仕掛け──集団加入の効果
5 抗議の波の継続──まとめと今後の課題
第3章 若者はSNSの夢を見るのか?──「運動を知らない」世代の運動参加 松谷 満
1 「若者の運動」という錯誤をこえて
2 若者自身が語る参加のきっかけと動機
3 運動への参加を可能にした条件とは
4 夢のソーシャルメディア?
5 おわりに
第4章 おひとり様のデモ参加?──個人化・SNS時代における運動の参加形態 原田 峻
1 はじめに
2 おひとり様・お連れ様・団体様とは誰か
3 誰がおひとり様になりやすいのか
4 二つの運動の違いと、おひとり様のその後
5 おわりに
第5章 デモ参加をめぐるジェンダーギャップ バーバラ・ホルトス
樋口直人
1 デモ参加とジェンダー──問題の所在
2 女性は保守的なのか
3 女性は運動嫌いなのか
4 女性は参加するヒマがないのか
5 もっとも重要な要因は何か──運動から排除されてきた女性
6 デモ参加をめぐる二つの世界──結語に代えて
第6章 動員の限界──何が運動の広がりを阻むのか 佐藤圭一
永吉希久子
1 「変換効率」の悪さ?──意識と行動のギャップへの着目
2 なぜ参加しないのか──四つの仮説
3 反原発運動への参加障壁
4 反安保法制運動への参加障壁
5 おわりに──「動員の限界」は何を示唆するのか
第7章 三・一一後の社会運動は参加者をどう変えたか 大畑裕嗣
1 はじめに
2 デモ参加によって人々はけっこう変わる
3 デモ参加経験、デモでの役割による変化
4 保守─リベラルの相違
5 おわりに
補遺 調査と分析で用いる変数について
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

18
原田峻「おひとり様のデモ参加?」が興味深い。3.11後の反原発、反安保デモに参加した「おひとり様」の特徴は男性、相談相手なし、労働・政治団体所属なし、「自民党・公明党支持」、「反権威主義」。この属性は『ネット右派の歴史社会学』の層とかぶります。著者は「意外なことに」反原発より反安保の参加が多いというけど、反安保って国防に関わることだからまったく意外ではない。反権威主義パーソナリティーの保守層がネット右派になったり、反安保デモに出ることは矛盾していない。現代の保守男性の二面性を解く鍵があるような気がします。2020/08/31

かんがく

9
反原発運動と反安保法制運動を軸に、3.11後のデモを分析。数値的な分析が多く地味になりそうなテーマだが、参加者の声も多く引用されていたのでデモの意義と問題点が理解できた。2022/03/19

kenitirokikuti

5
ざっと斜め読み。反原発デモと反安保法制デモの参加者の傾向を、2017年末に調査し分析したもの。やっぱデモ参加者は数量的にはベテラン老兵や動員がメインなのだが、そうでない層もある。女は反体制的(体制=男社会、自民など。デモを含む政治活動も避けがち)、男は体制寄りで、自民支持が多いのだが、同時に反権威的であり、ネトウヨは自民党の犬という非難はやや外れている。むしろ、男はおひとり様が多いってのがアニメ系オタクと通じる感じ▲反核シニアの男女比は女の方が多いそうな。創価学会の婦人部かしら? 2020/10/25

Riko

1
図書館で借りた2020/08/09

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