内容説明
悲しみを湛えた美しき運命。“彼女”の抱く誰にも知られてはならない秘密。謎多き天才が残した魅惑の絵画をめぐり、美術・建築界に渦巻く人間の才能と美醜な欲望を描き切る超大作アートミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
7
出版は2020年ですが遡ること二十年余の1999年、ユーロ導入直前のヨーロッパ(イギリス、ポルトガル、スイス…)を舞台とした美術版ダ・ヴィンチ・コードの趣。料理・酒・建築・美術品・ファッションetc.すべてを心得たオトナたちが節度を守って繰り広げるおとぎ話のようでもあり。ファドを耳にしたことからふと思い立ってポルトガルに出かけるとか、絵の謎を追求するためにあちこち尋ね回って初対面の人に会いに行くとか、物凄く羨ましく感じられる。金があっても今は「無理!」なことがいろいろあるので…。2022/02/06