内容説明
弓貴滅亡の危機を救ったソナンは、新たな名「空人」と領地・輪笏を与えられ、妻ナナや家臣らと旅立つ。赤く輝く花に彩られた美しい大地、だがそこは財政難にあえぐ貧しい場所でもあった。輪笏を立て直すため、空人は生き急ぐかのように奔走し、領民の心を動かしてゆく。数々の策が実を結び始めたころ、都に呼ばれた空人。そこで、予想外の事実を告げられ――。流転のファンタジー大作、第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
42
素敵な奥様に出会えてよかった。しかし鬼絹の秘密、怖い。。。2022/07/26
あおでん@やさどく管理人
31
まさしく起承転結の「承」にあたるような展開のシリーズ2巻。今までの常識にとらわれない策であっても、「輪笏の領民のため」という思いが伝われば人はついてくる。一応元は将軍のひとり息子ということで、リーダー的な素質はあったということか。ラストの展開は、いよいよ物語が大きく動きそうな予感をさせる。2021/04/30
タカギ
28
主人公は望みの女性と結婚して、与えられた領地に赴任する。財政難に喘ぐ土地で、様々なアイデアで危機を乗り越えようとする彼を普通は応援したくなるはずだけど、反感のほうが強い。無邪気に奇抜なアイデアをひねり出す度に、やけに頑張ってるけど、何で前はそうできなかったの、と思ってしまう。環境的には一回目のほうがずっと恵まれていたのに。主人公が好ましくないぶん、妻が大らかで優しい魅力的な人物に描かれている。その素晴らしい女性を得たのも分不相応でイラっとする。しかし苦労を楽しむ主人公を過去は逃がさなかった。3巻へ。2020/12/19
桐ヶ谷忍
25
すったもんだの挙げ句、一目惚れした七の姫と結婚し、輪笏(わしゃく)という領地の領主になった空人。だがこの領地は極貧だった…。なんとかして領地を富ませようと、同時進行であれもこれもと策を走らせる様が面白い。世界観もしっかり構築されていて、空人と一緒に驚いたりがっくりきたり…読者の気持ちを乗せるのが非常に上手い。ただ、こんな所で終わり?!という殺生な展開に。来月末が待ちきれない。2020/10/04
kira
24
2巻。六樽様にも鷹陸様にも失礼ぶちかまし処されてもおかしくない感じだった空人だが、めでたく七の姫と結婚できてド田舎の督に就任決定。嵐が去ったとばかりに都の人々ホッと胸を撫で下ろすの巻。思うままに突っ走る空人を優しい七の姫が見守り、優秀な陪臣たちがズバズバ諌めたりたまに褒めたりしながら新しい土地を治めていく。素行の悪いアルスラーン(空人)とそんな強くないナルサス(花人)と黒衣じゃないダリューン(石人)みたいな関係が良い。で、空人がソナンだった世界が急に身近に。異世界転生じゃない意外性が良かった。続きへ。2021/01/13