保護する責任 - 変容する主権と人道の国際規範

個数:1
紙書籍版価格
¥4,400
  • 電子書籍

保護する責任 - 変容する主権と人道の国際規範

  • 著者名:政所大輔
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 勁草書房(2020/10発売)
  • ポイント 40pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326302840

ファイル: /

内容説明

冷戦終結後、ジェノサイドなどの人道危機が相次いで起きた。そこで登場したのが、市民の保護を国家と国際社会に求める「保護する責任」である。人権を守るために国家主権の再定義をめざす保護する責任は、どのようにつくられ、国家や国連、NGO等にどのように広がっていったのか。コンストラクティヴィズムで実証的に描き出す。

目次

序章 規範としての保護する責任
 1 問題の所在
 2 先行研究の検討と本書の目的
 3 本書の意義と構成

第1章 規範の動態をめぐる国際政治
 1 国際関係論における規範
 2 規範の複合性と変化
 3 規範の動態の説明枠組み

第2章 保護する責任はどのようにして誕生したのか
 1 革命的な事件と社会通念の変化 ― 規範的環境の醸成
 2 規範起業家としてのICISSと規範的アイディアの作成
 3 ICISS最終報告書の検討

第3章 保護する責任はなぜ国連で取り上げられるようになったのか
 1 カナダ政府による説得活動とその失敗
 2 国連改革をめぐる動きと国連事務総長の戦略
 3 2005年世界サミット成果文書への文言挿入をめぐる交渉

第4章 保護する責任は国連においてどのように主流化してきたのか
 1 保護する責任に対する加盟国の反発
 2 国連総会テーマ別討論の開催と総会決議の採択
 3 保護する責任の諸側面に関する事務総長報告と非公式相互対話
 4 新たな総会決議の模索と総会公式討論

第5章 保護する責任はどのように実施されつつあるのか
 1 保護する責任の三つの柱 ― 国家の責任,国際支援,適時かつ断固とした対応
 2 リビア危機への適用
 3 シリア危機と国際社会の対応 ― 保護する責任の実施可能な範囲
 4 安保理決議と保護する責任

終章 国際政治のなかの保護する責任
 1 理論的な発見と示唆
 2 今後の課題と展望

参考文献
インタビュー・リスト
あとがき
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sayan

20
介入論の根幹をなす「保護する責任」。本書は、特に本概念形成に焦点を当て、コンストラクティビズム手法を通じた分析を試みる。系譜学的でもありAISASを彷彿させるマーケティング的視点が新鮮だ。アイディアがいかに国際構造を規定するのか、その始点に「介入と国家主権に関する国際委員会」の動きに着目する。人道と介入という用語から離れ人道危機から市民の保護について合意を促進しうる新たな考え方を開発する場面は生々しく、保護する責任と人間の安全保障と明確に区別せざるを得ない国際政治、特に外交上の刺激的な駆け引きは読み所だ。2020/06/04

ゆうき

1
過程追跡研究。模擬国連で2005年サミット、リビアを扱うならUN libraryで一次資料を検索する前に本書を読むべき。2020/09/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15098576
  • ご注意事項

最近チェックした商品