東京事務所の政治学 - 都道府県からみた中央地方関係

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東京事務所の政治学 - 都道府県からみた中央地方関係

  • 著者名:大谷基道
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784326302826

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内容説明

一般にはあまり知られていないが、東京都も含め全47都道府県が「東京事務所」を設置している。近年の地方分権改革で中央地方関係が対等・協力に変わり、三位一体の改革で国の補助金はだいぶ少なくなったにもかかわらず、なぜ都道府県の東京事務所は残り続けるのか。その実態を調査し、国・都道府県関係の変遷と実態を明らかにする。

目次

はじめに

序章 問題意識と分析視角:なぜ東京事務所が必要なのか
1 問題意識と分析視角
 (1) 問題意識
 (2) 分析の視角
2 東京事務所研究の意義と先行研究
 (1) 東京事務所研究の意義
 (2) 東京事務所に関する先行研究の概観
3 問いと仮説
 (1) 東京事務所の役割に関する主な見解
 (2) 本書における問い
 (3) 問いに対する仮説
 (4) 分析手法
4 本書の構成

第1章 東京事務所の現況と設置の経緯
1 東京事務所の設置状況
 (1) 東京事務所の設置状況
 (2) 東京事務所の所掌事務
 (3) 東京事務所の組織・人員体制
 (4) 東京事務所の設置根拠, 権限等
 (5) 東京事務所の所長と所員
 (6) 都道府県東京事務所の特色:市町村東京事務所との比較から
2 東京事務所設置の経緯と背景
 (1) 現行東京事務所の設置時期
 (2) 戦前・戦中期における東京事務所の誕生と廃止・統合
 (3) 戦後期における東京事務所の設置の経緯とその背景
小括

第2章 東京事務所の活動実態とその変化
1 東京事務所の主な行動とその変化
2 東京事務所草創期:宿泊施設と連絡調整の時代(1947年頃~1950年代)
 (1) 宿泊施設の管理運営業務
 (2) 中央省庁との連絡調整業務
3 補助金全盛期:陳情・要望活動と官官接待の時代(1960年代~1990年代)
 (1) 陳情・要望活動
 (2) 官官接待
 (3) 陳情・要望活動の変化
4 地方分権改革以降:情報活動の時代(2000年代~)
 (1) 地方分権改革による中央地方関係の変化
 (2) 中央省庁からの指示・伝達事項の伝達(指示等伝達活動)
 (3) 中央省庁の情報の入手(情報収集活動)
 (4) 現場情報の伝達(現場情報伝達活動)
 (5) 東京事務所の活動の対象となる意思・情報
5 政治との関係
 (1) 地元選出国会議員との関係
 (2) 政権与党との関係
 (3) 東京事務所の政治的役割
小括

第3章 省庁県人会と東京事務所
1 中央省庁における県人会の設立状況
 (1) 省庁県人会とは
 (2) 設立状況
 (3) 会員構成
 (4) 会員数, 設立年, 会合の開催頻度
2 省庁県人会の運営に対する東京事務所の関与
 (1) 省庁県人会の運営に対する東京事務所の関与
 (2) 関与のベネフィット
3 中央官僚による省庁県人会の活用
 (1) 中央官僚のキャリアパスと都道府県
 (2) 省庁県人会参加の動機
小括

第4章 東京事務所間の連携組織
1 連携組織の設立状況
2 連携組織の概要
 (1) 所長・次長レベルの組織
 (2) 担当者レベルの組織
3 連携組織を活用した情報収集活動の実態
 (1) 東京事務所による情報収集活動の概要
 (2) 全国都道府県・政令指定都市国土交通省担当者連絡協議会(とんび会)の場合
 (3) 全国総務省担当者連絡会(そうむたん)の場合
 (4) その他の連携組織の場合
4 連携組織による水平的な連携
 (1) 連携組織による水平的な連携
 (2) 連携組織の存在意義
5 国による連携組織の活用
 (1) 都道府県への情報伝達回路としての連携組織
 (2) カウンターパートとしての連携組織
小括

第5章 すべての都道府県が東京事務所を置く理由
1 合理性による説明可能性の検討
 (1) 距離, 所要時間及び運営コストの視点からの検討
 (2) 全国知事会との関係の視点からの検討
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sk

4
地方と中央をつなぐ東京事務所。東京事務所の機能と、なぜすべての都道府県が東京事務所を置いているかに迫る。2020/09/08

深窓

1
全ての都道府県がなぜ東京事務所を設けているのかという疑問から、中央政府と自治体の関係性についてまで扱った本。著者自身が東京事務所勤務経験も有する元自治体職員であり、先行研究が豊富とも言えないネタでもあるので、勤務経験者などへのインタビューや体験に基づいた部分が興味深い。筆者自身も課題として言及しているが、中央政府との関係だけでなく現在比重を増しているだろう東京圏での自治体プロモーションについても今後取り扱って貰えることを期待。2022/05/01

チャーリイ

1
補助金獲得競争が減り、また地方分権改革で都道府県の自主性が増加した今なお、47都道府県全て(東京都も!)が東京に出先機関を置く理由を探った研究書。東京事務所が政治上の交渉の前線を担うわけではなく、知事や本庁と中央との情報経路を確保する意味合いが強いというのが大意。特に都道府県の自主性が増えたがゆえに、逆に施策の正当性の不確実性を減らすために、情報交換の重要性が生じているというのが面白かった。2019/12/08

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