人生の歩みを追跡する - 東大社研パネル調査でみる現代日本社会

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人生の歩みを追跡する - 東大社研パネル調査でみる現代日本社会

  • 著者名:石田浩/有田伸
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2020/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 960pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326603268

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内容説明

ひとびとはこの10年の間にどのような経験を積み、その経験にはひとびとの間にどのような違いがあるのか。さらに、このような経験の違いは、どのような要因によって生じ、またどのような帰結を生み出すのか。これらの問題を「就業・キャリア・貧困」「生活」「家族」「社会・政治に対する意識・態度」の4つのトピックから総合的に検討する。

目次

序章 パネル調査によるひとびとの「人生の歩み」の追跡[藤原翔・石田浩・有田伸]

 1.ひとびとの人生の歩みを追跡する意義と方法
 2.「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(JLPS)
 3.パネルデータを用いた社会学的研究
 4.本書の構成
 参考文献

第1部 就業・キャリア・貧困

第1章 誰が所得上昇を果たしているのか?─21世紀日本社会の「右肩上がりの人生」─[有田伸]
 1.年齢と所得の関係
 2.個人所得の変化傾向
 3.大きな所得上昇を果たしているのは誰か?
 4.対象期間中のイベントが所得上昇にもたらす影響
 5.「右肩上がりの人生」とその格差のゆくえ
 参考文献

第2章 若年・壮年期の貧困─世帯形成と世帯の収入源からみた動態分析─[林雄亮]
 1.日本社会の貧困問題と本章の目的
 2.貧困の定義と基礎分析
 3.貧困の動態分析
 4.ライフコースのなかに潜む貧困とその課題
 参考文献

第3章 ライフコースにおける男女間収入格差の生成─不平等と階層に着目して─[大久保将貴]
 1.日本における男女間収入格差
 2.格差指標としての不平等と階層
 3.方法とデータ
 4.男女間収入格差の分析結果
 5.男女間収入格差の「見える化」に向けて
 補遺
 参考文献

第2部 生活・健康

第4章 健康格差はいかに生成されるのか?─ライフコースの流れに着目して─[石田浩]
 1.健康の格差を考える
 2.健康の格差に関する研究
 3.健康格差をパネル調査から考える
 4.主観的健康感の推移
 5.健康格差が生じる要因
 6.健康格差のゆくえ
 参考文献

第5章 誰が持家に移行するのか─階層と家族に注目して─[村上あかね]
 1.「持家社会」日本の成立と変容
 2.日本型住宅システムの特徴と歴史
 3.住宅所有の実態
 4.ライフコースと住宅所有
 5.ポスト「住宅すごろく」時代のライフスタイルと住宅
 参考文献

第6章 社会的孤立を生み出す2段階の格差─友人関係の獲得と喪失の過程に着目して─[石田賢示]
 1.社会的孤立と友人関係
 2.社会的孤立状態の格差の背景と孤立リスクの動態への着目
 3.分析に用いるデータ・変数
 4.友人不在の状態と動態
 5.社会的孤立を生み出す2段階の格差
 参考文献

第3部 家族

第7章 どのような「婚活」が結婚へと導くのか[三輪哲・田中茜]
 1.「婚活」の時代
 2.「婚活」への計量的アプローチ
 3.「婚活」の実相
 4.「婚活」により生まれたカップルのその後
 5.「婚活」の現在とその後
 参考文献

第8章 職場のワーク・ライフ・バランス環境とパートナー関係[不破麻紀子]
 1.職場のワーク・ライフ・バランス環境とパートナー関係
 2.WLB環境の変動
 3.配偶者間のコミュニケーション
 4.パートナー関係の概念
 5.データと分析方法
 6.WLB環境の効果の分析
 7.WLB環境の効果は限定的?
 参考文献

第9章 高学歴志向の差異と変化─ライフイベントに注目して─[藤原翔]
 1.教育意識から社会を読み解く
 2.高学歴志向の差異
 3.結婚による高学歴志向の変化
 4.子どもによる高学歴志向の変化
 5.高学歴志向のゆくえ
 参考文献

第4部 社会・政治に対する意識・態度

ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

16
人の意識や行動は時間の経過とともに変わる。社会的なコンセンサスで望ましい方向へと変化させられる可能性もあるし、逆に邪悪な意図で思いがけない方向に導かれることもある。親からの独立、結婚、出産などのライフイベントによっても変わる。というのは、これらは、格差の生成や変化の重要なきっかけとなってきたからである。特に、不利な状況にある人にとって、さらに不利益が大きい場合、ライフステージの移行自体を忌避する傾向が生まれる。一方で、ライフステージや社会の変化に対応する際に参照するモデルや枠組みは、あまり変わっていない。2021/03/28

Rico

1
ほとんどのデータそらそうだろう、というのをデータで確認するという感じだったのだけれど、個人的には、10章、11勝の社会政治に対する意識や態度が何に影響されているのかと、全体を総括した人生の歩みの追跡からみる現代日本社会の考察が面白かった。社会は変わる、けれど、思ったよりもスピード遅いかも、そこには人々の固定観念も大きいな~2020/08/22

Mi

1
日本社会は色々変わってきてはいるものの、相変わらず女性は結婚出産で仕事をやめちゃうし、男が長時間労働するほうが本人の結婚満足度は高いし、ワークライフバランスが改善されても仕事満足度が上がるだけで結婚満足度は変化してないようだし、持ち家志向も教育ママの存在も変わってない。晩婚化・非婚化が進行する中では高齢者偏重の社会福祉制度への支持も減らない傾向みたいだし、雇用の不安定化からは国家による生活保障を求める姿勢よりも雇用の安定化を求める姿勢が出てくる。 社会に染み付いた人々の考え方はなかなか変わらないものらしい2020/07/28

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