内容説明
幼稚園の「預かり保育」は、子育ての位置づけを私的領域/公的領域のどちらに置くか、というせめぎ合いの中で誕生した。その背景に潜むポリティクスの変化を、1990年代以降の政府の審議会の政策言説分析により明らかにする。同時に、保育者と母親たちへのインタビュー調査により、育児の当事者の意識や葛藤を重層的に捉える。
目次
はしがき
序章 子育てをめぐるポリティクスを探る
第1節 子育てをめぐるポリティクスはどこにあるか──問題の所在と預かり保育への注目
第2節 本書の目的と構成
第1章 預かり保育の概況と先行研究の検討
第1節 預かり保育の概況
第2節 子育てへの社会的支援に関する研究
第3節 預かり保育に関する研究
第4節 ポリティクスの3つのアクターとリサーチクエスチョン
第2章 理論的枠組みの検討
第1節 子育てをめぐる再編のポリティクスを議論するために
第2節 公的領域と私的領域の関係と境界を変えうるもの
第3節 公的領域と私的領域の境界をめぐるポリティクス──「ニーズ解釈の政治」議論
第4節 「ニーズ解釈の政治」議論の本書への示唆
第3章 本書における調査の概要
第1節 調査方法と対象の設定
第2節 本書の調査の特徴
第4章 預かり保育をめぐる政策言説の通時的変化
第1節 課題設定
第2節 対象と分析の視点──中教審答申と審議経過に着目して
第3節 1990年代以降の預かり保育をめぐる政策言説の通時的変化
第4節 考察──預かり保育の実施の拡大と子育ての私的な責任の拡大
第5章 預かり保育の実施状況と保育者の認識
第1節 課題設定
第2節 調査および対象者の概要
第3節 預かり保育の実施状況
第4節 預かり保育の実施と保育者
第5節 考察──預かり保育に対する両価的な認識
第6章 預かり保育に対する保育者の意味づけ
第1節 課題設定
第2節 調査および対象者の概要
第3節 預かり保育を保育者はどのように語るのか
第4節 預かり保育をめぐる保育者の葛藤と対処
第5節 考察──「幼稚園の時間」と「家庭の時間」の狭間で
第7章 預かり保育の利用状況と親の認識
第1節 課題設定
第2節 調査および対象者の概要
第3節 子育てに対する高い関心
第4節 預かり保育の利用状況
第5節 預かり保育にみる子育て事情
第6節 考察──預かり保育の利用を進めるもの・忌避させるもの
第8章 預かり保育に対する親の意味づけ
第1節 課題設定
第2節 調査および対象者の概要
第3節 預かり保育を親はどのように語るのか
第4節 考察──「私事としての子育て」の拠りどころ
終章 子育てをめぐる公私再編のポリティクス──結論と今後の課題
第1節 結果の概要
第2節 子育てをめぐる再編のポリティクス
第3節 本書の結論と今後の課題──「責任」・「遂行」と「ニーズ解釈の政治」議論の相乗から
参考文献
参考資料
あとがき
人名索引
事項索引
初出一覧
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