子育てをめぐる公私再編のポリティクス - 幼稚園における預かり保育に着目して

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子育てをめぐる公私再編のポリティクス - 幼稚園における預かり保育に着目して

  • 著者名:清水美紀
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • 勁草書房(2020/10発売)
  • ポイント 38pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326603206

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内容説明

幼稚園の「預かり保育」は、子育ての位置づけを私的領域/公的領域のどちらに置くか、というせめぎ合いの中で誕生した。その背景に潜むポリティクスの変化を、1990年代以降の政府の審議会の政策言説分析により明らかにする。同時に、保育者と母親たちへのインタビュー調査により、育児の当事者の意識や葛藤を重層的に捉える。

目次

はしがき

序章 子育てをめぐるポリティクスを探る
 第1節 子育てをめぐるポリティクスはどこにあるか──問題の所在と預かり保育への注目
 第2節 本書の目的と構成

第1章 預かり保育の概況と先行研究の検討
 第1節 預かり保育の概況
 第2節 子育てへの社会的支援に関する研究
 第3節 預かり保育に関する研究
 第4節 ポリティクスの3つのアクターとリサーチクエスチョン

第2章 理論的枠組みの検討
 第1節 子育てをめぐる再編のポリティクスを議論するために
 第2節 公的領域と私的領域の関係と境界を変えうるもの
 第3節 公的領域と私的領域の境界をめぐるポリティクス──「ニーズ解釈の政治」議論
 第4節 「ニーズ解釈の政治」議論の本書への示唆

第3章 本書における調査の概要
 第1節 調査方法と対象の設定
 第2節 本書の調査の特徴

第4章 預かり保育をめぐる政策言説の通時的変化
 第1節 課題設定
 第2節 対象と分析の視点──中教審答申と審議経過に着目して
 第3節 1990年代以降の預かり保育をめぐる政策言説の通時的変化
 第4節 考察──預かり保育の実施の拡大と子育ての私的な責任の拡大

第5章 預かり保育の実施状況と保育者の認識
 第1節 課題設定
 第2節 調査および対象者の概要
 第3節 預かり保育の実施状況
 第4節 預かり保育の実施と保育者
 第5節 考察──預かり保育に対する両価的な認識

第6章 預かり保育に対する保育者の意味づけ
 第1節 課題設定
 第2節 調査および対象者の概要
 第3節 預かり保育を保育者はどのように語るのか
 第4節 預かり保育をめぐる保育者の葛藤と対処
 第5節 考察──「幼稚園の時間」と「家庭の時間」の狭間で

第7章 預かり保育の利用状況と親の認識
 第1節 課題設定
 第2節 調査および対象者の概要
 第3節 子育てに対する高い関心
 第4節 預かり保育の利用状況
 第5節 預かり保育にみる子育て事情
 第6節 考察──預かり保育の利用を進めるもの・忌避させるもの

第8章 預かり保育に対する親の意味づけ
 第1節 課題設定
 第2節 調査および対象者の概要
 第3節 預かり保育を親はどのように語るのか
 第4節 考察──「私事としての子育て」の拠りどころ

終章 子育てをめぐる公私再編のポリティクス──結論と今後の課題
 第1節 結果の概要
 第2節 子育てをめぐる再編のポリティクス
 第3節 本書の結論と今後の課題──「責任」・「遂行」と「ニーズ解釈の政治」議論の相乗から

参考文献
参考資料
あとがき
人名索引
事項索引
初出一覧

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