子育て支援を労働として考える

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子育て支援を労働として考える

  • 著者名:相馬直子/松木洋人
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 勁草書房(2020/10発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326603275

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内容説明

少子化対策以降に制度化されてきた一時保育やひろば事業といった「地域子育て支援」。全国働き方調査データをもとに、活動に従事する人々の労働実態を明らかにする。地域の子育てを支えるものとして制度に位置づけられながら、アンペイドワークの延長線上にみなされるその労働の問題を、社会学や経済学の視点から問うはじめての学術書。

目次

序章 「子育て支援労働」とは何か[相馬直子・松木洋人]
 1.なぜ「子育て支援労働」を問うのか
 2.子育て支援・保育・地域子育て支援:本書の概念定義
 3.子ども・子育て支援新制度における「子育て支援」「保育」「地域子育て支援」
 4.既存の研究と本研究の課題
 5.本書の構成

第I部 制度的・歴史的文脈から子育て支援労働を考える

第1章 地域子育て支援労働の源泉──1990年代初頭まで[相馬直子]
 1.問題の所在
 2.「少子化対策」前夜:1950年~1980年
 3.性別分業型社会の息苦しさから生まれた連帯:~1980年代
 4.おわりに

第2章 子育てする親が生成した子育て支援労働──非営利・協同セクターによる当事者活動の萌芽から制度化途上に[近本聡子]
 1.親たちがつくってきた現代的な子育ての仕組み
 2.働く親の要望による保育所・保育労働の一般化
 3.1990年代に保育所でスタートした「地域に向けた子育て支援」
 4.当事者が地域で支援労働を形成する3類型
 5.地域に広がる契機はインターネットのメール共有
 6.萌芽期の労働形成と労働編成
 7.萌芽期の子育て支援労働は半ペイドワーク
 8.子育て支援労働の価値水準を引き上げる要因・引き下げる要因

第3章 子育て支援の専門性を問う──ケア労働の分業化と再編の中で[井上清美]
 1.「子育て支援労働」と「保育労働」の境界線
 2.保育労働における「子育て支援」
 3.子育て支援の専門性をめぐる議論
 4.子育て支援者としてのアイデンティティ
 5.「子育て支援」の専門性とその評価へ向けて

第II部 調査データの分析から考える

第4章 子育て支援の労働時間・訓練機会・賃金──労働経済学からみた「地域子育て支援労働」[中村亮介]
 1.「地域子育て支援労働者」の高まる存在感
 2.子育て支援者の活動形態や働き方に関する調査
 3.分析
 4.地域子育て支援労働の労働経済学的研究の展開

第5章 どのような支援者が無償労働に従事するのか──業務の種類と労働時間の関係に着目して[中村由香]
 1.はじめに
 2.分析に使用したデータと変数
 3.分析結果
 4.おわりに

第6章 地域子育て支援の制度化と非現場ワークの増大──横浜市を事例に[堀聡子・尾曲美香]
 1.はじめに
 2.地域子育て支援拠点事業の成り立ち
 3.横浜市の地域子育て支援拠点事業
 4.制度化に伴い増大する非現場ワーク
 5.地域子育て支援の核となる非現場ワーク
 6.地域子育て支援の制度化と支援者のジレンマ
 7.おわりに

第7章 子育て支援労働は地域に何をもたらすのか?──介護保険制度の経験をふまえて[橋本りえ]
 1.子育て支援活動が生み出す価値への着目
 2.どのような方法で議論を進めていくのか?
 3.子育て支援活動の価値とは何か?
 4.価値として認識されるためには?
 5.むすびにかえて

第8章 子育て支援労働者にとっての経済的自立の困難と可能性──ワーカーズ・コレクティブにおける経済的報酬と働くことの意味をめぐって[松木洋人]
 1.社会化されたケア労働と女性のアンビヴァレントな関係
 2.ケア労働論における「愛」と「金」の二分法
 3.主婦アイデンティティとWC活動
 4.WCで経済的自立を提供しようとすることとその障壁
ほか

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