〈現在〉という謎 - 時間の空間化批判

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〈現在〉という謎 - 時間の空間化批判

  • 著者名:森田邦久
  • 価格 ¥4,620(本体¥4,200)
  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ポイント 1,260pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326102778

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内容説明

自然科学における時間は、私たちが感じる「ありありとした現在」を否定し、結果的に哲学者には時間を「空間化」しているように映る。時間や現在に対するそうした捉え方の違いはどこにあるのか。好評を博したシンポジウム「『現在』という謎」を軸に、物理学と哲学それぞれの立場からのコメントと応答も盛り込む、唯一無二の時間論集。

目次

はじめに[森田邦久]

第1章 物理学における時間――力学・熱力学・相対論・量子論の時間[谷村省吾]
 コメント:物理学における時間と時間の形而上学[佐金武]
 リプライ:物理学の概念を形而上学で塗り重ねてもすれ違いになるだけではないのか[谷村省吾]

第2章 時間の問題と現代物理[筒井泉]
 コメント:時間の「逆行」とはどのような現象か?[小山虎]
 リプライ:量子力学での因果関係と哲学的視点[筒井泉]

第3章 現代物理学における「いま」[細谷暁夫]
 コメント:物理学者からの問題提起に答えて[小山虎]
 リプライ:物理にも哲学にも伝わっていないこと[細谷暁夫]

第4章 客観的現在と心身相関の同時性[青山拓央]
 コメント:哲学者に考えてもらいたいこと[谷村省吾]
 リプライ:まず問いの共有を[青山拓央]

第5章 時間に「始まり」はあるか――哲学的探究[森田邦久]
 コメント:物理学者が哲学者の時間論を読むとこうなる[谷村省吾]
 リプライ:哲学者も物理学を無視しない――形而上学と物理学の関係性[森田邦久]

第6章 「スケールに固有」なものとしての時間経験と心の諸問題――ベルクソン〈意識の遅延テーゼ〉から[平井靖史]

第7章 非可逆的な時間は実在するのか?――ベルクソンとプリゴジンの時間論の検討[三宅岳史]
 コメント:自然を判定の鑑とする物理学――第6章&第7章へのコメント[筒井泉]
 リプライ:木には木の、森には森の描き方を[平井靖史]
 リプライ:科学と哲学の間――モデル構成の必要性[三宅岳史]

第8章 時間論はなぜ「いま」の実在の問題となるのか――インド仏教の視点から[佐々木一憲]
 コメント:「いま」という時からの眺め[佐金武]
 リプライ:対岸からの視界[佐々木一憲]

あとがき[細谷暁夫]
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ayumi Katayama

24
ここ二週間ほど少しずつ読んでいるのだが、物理学パートは概ねわかるのだが(難しいところもあるので理解できないところもあるが)、哲学パートになったとたんにわからなくなる。それがまた、絶望的にわからない。一文を何度も読み直してもわからない。わからない点に疑問を提示しようとしても何がわからないのかもわからない。途方にくれる。2019/12/07

ポレ

15
哲学者側が何を問題にしているのかさっぱりわからないし、いったい何を言っているのかもわからない。形而上学的に意味があると言われてもちんぷんかんぷんだし、物理学を無視した議論に物理学者を巻き込んでなにがしたいのかわからない。とにかくわからないこと尽くしである。だがしかし、本書には孤軍奮闘する心強い味方がいるのだ。理論物理学者の谷村省吾先生である。特にwebで公開されている補足ノートは痛快であり、哲学者に対するモヤモヤを一掃してくれる。本書は谷村補足ノートを読むための壮大な前フリといって過言ではなかろう。2020/01/14

やす

6
物理学者の谷村省吾さんがWEBになにやら哲学者との対談的なことでえらくお怒りであることは知っていた。結構な量のPDFが上がっておりいつか読もうと落としていたのだが、本書がその原因となったもの。意識にのぼる<今>というやつについてそれがなんであるかを哲学と物理学の知を結集して解こうという試みがあったらしい。シンポジウムを開き、その原稿を互いに読みあいコメントし、さらに原稿の著者が再コメントする形式で8編が収められている。冒頭主催の森田さんが動機付けに失敗した。趣旨説明が不十分と反省。2025/05/24

T.Y.

3
いつ読了したか忘れてしまったが、個人的な関わりも含めて詳しくは下記にて。 http://blog.livedoor.jp/t_yoshino_philosophy/archives/9100986.html2021/04/30

こたろう

3
時間とは本当に流れているのだろうか?また、過去、現在、未来の境目はあるのか、もしあるとすればどのような定義になるのか。現役の物理学者と哲学者がお互いの分野からその謎に対して意見をぶつける本。本来、科学では解明できないような難問に対して仮説を立てるための思考の道具として、発達してきたである哲学が、いつからか独り歩きして、科学で証明されている内容にまで大胆不敵に独自の理論を展開しているように見受けられる。また、哲学者の言葉の定義や論理の矛盾に対して、著者の一人の物理学者が別冊ノートを公開している。2019/12/26

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