軍事組織の知的イノベーション - ドクトリンと作戦術の創造力

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軍事組織の知的イノベーション - ドクトリンと作戦術の創造力

  • 著者名:北川敬三
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  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784326302871

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内容説明

軍事組織は時代の変化、環境の変化、そして敵の変化に直面しており、さまざまな問題を解決しなければならない。そのための方法論をどうすれば生み出し、そして定着させることができるのか。米英日を事例として、戦争の術と科学の発展過程を分析し、軍事組織の高等教育、そして作戦術の発展過程を解明した著者渾身の博士論文を書籍化。

目次

序章 軍事組織における知の創出
 プロローグ
 1 本書の問題意識──軍事組織における知的態度と方法論
 2 概念の整理──アートとサイエンス,理論とドクトリン
 3 本書の目的
 4 本書の構成と各章のポイント

第I部 近代軍事組織の知的イノベーション

第1章 米国海軍とネイバル・アカデミズム──19世紀から20世紀へ
 はじめに──近代軍事組織における知のあり方
 1 南北戦争後の米国と海軍
 2 改革運動の背景とルース
 3 プロフェッショナル化への道
 4 制度的展開──米国海軍大学校,海軍情報部,海軍作戦本部の創設
 まとめ──「ネイバル・アカデミズム」の意義

第2章 日本海軍と海軍大学校の挑戦──明治期
 はじめに──明治期日本海軍の方法論
 1 日本海軍のキャッチアップ
 2 海軍大学校の改革
 3 「戦争の術と科学」へ
 まとめ──明治期日本海軍の方法論

第3章 知的変革のできなかった日本海軍──大正・昭和期
 はじめに──日本海軍の思考過程と限界
 1 日本海軍における意思決定過程
 2 日本海軍の知的準備──大東亜戦争開戦前
 3 戦争を理解できなかった日本海軍
 まとめ──大正・昭和期における「状況判断」の変遷

第4章 到達点と出発点──敗戦から海上自衛隊黎明期へ
 はじめに──日本海軍の到達点と海上自衛隊の出発点
 1 日本海軍の戦訓研究
 2 海上防衛力再建研究における用兵・兵術の捉え方
 3 海上自衛隊のキャッチアップ
 まとめ──日本海軍の到達点と海上自衛隊の出発点

第II部 現代の軍事組織と知的イノベーション

第5章 作戦術が変え続ける軍事組織
 はじめに──軍事組織に必要なアート
 1 作戦術発展の背景
 2 「作戦術」が軍事・安全保障に与えた影響
 まとめ──「作戦術」とドクトリンの往還

第6章 甦る米国陸軍と「作戦術」中心の知的組織への挑戦
 はじめに──軍事組織の再建と方法論
 1 米軍再建の原点──予想された窮状と誤った自信
 2 訓練・ドクトリン軍とデピュイの挑戦──1970年代と「戦術レベル」の改革
 3 先導者としての訓練・ドクトリン軍──1980年代と「作戦レベル」の改革
 おわりに──米国陸軍の挑戦:「作戦術」の導入とドクトリン形成

第7章 作戦術が強化した同盟関係──英国の挑戦
 はじめに──軍事組織における方法論の普遍的価値
 1 英軍の伝統的な知的態度
 2 1980年代の英軍の動向──バグネルの改革
 3 ドクトリンの影響──知的組織としての英軍
 おわりに──英軍と方法論:「作戦術」の受容とドクトリン形成

終章 軍事組織と問題解決の方法論
 1 日本海軍になぜ方法論が根付かなかったのか
 2 軍事組織における新たな知の創造
 3 総括

あとがき──謝辞と単著に至る航路
参考文献一覧
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てっき

4
海自の誇る異端児、北川敬三の新刊。米陸海軍、帝国海軍、海自、英陸軍が如何に『作戦術』を創造または受容していったのかを分析して、そこから、軍事組織においてドクトリンを制定し、それを教育により普及徹底し、組織の思考形態を改変していくか、について『方法論』の重要性を強調しながら考察している。ここでいう『方法論』とは、いわゆるSOPではなく、目的目標から行動に至る思考過程そのものを指すものであり、ガワだけでは失敗する、というのを帝国海軍の実例をもって紹介されている。 非常に興味深く読めました。再読して勉強します。2020/05/07

y-kun

3
軍事プロフェッショナル(実務)の著者が膨大な一次史料を中心に作戦術(オペレーショナルアート)の萌芽、発展を丁寧に論じた名著。実務、研究の立場を問わず、国家安全保障に携わる人々にとって必読の一冊。2020/05/05

まいける

0
現役海上自衛官である筆者による、軍事組織における問題解決の方法論確立についての研究書。19世紀末の日米海軍における用兵思想、20世紀後半の米英陸軍における作戦術やドクトリンの発達を題材に、軍事組織におけるイノベーションの萌芽と発展、これに伴う高等教育の変革と組織知としての制度化プロセスについて分析している。問題解決のためには何を考えるか、ではなくどのように考えるかが重要であり、これらの方法論を追究するため、高級軍人には創造性と柔軟性が求められ、絶えず過去に学び知的再生産と組織改革を継続していく必要がある。2021/06/12

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