私はヒトラーの秘書だった

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私はヒトラーの秘書だった

  • ISBN:9784794224644

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内容説明

1942年から45年まで、ヒトラーお気に入りの秘書として第三帝国の中枢で働いていた女性が、ヒトラーの素顔や側近たちとの交流、そして地下壕での最期までを若い女性ならではの視線で書き記した手記。
戦後まもない時期に書かれ、半世紀を経て初めて公開された貴重な証言である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キンモクセイ

50
トラウデル・ユンゲは二年半の間、ヒトラーのお気に入りの秘書だった。ヒトラーや側近たちがユダヤ人に対する残虐で非道な行為を行なっているとは想像すらしなかった。それよりも平凡な事務員から抜け出し夢のような体験をしている事を心から喜んでいたし幸福感しかなかった。頻繁に開かれる食事会の席ではヒトラーはとても穏やかで紳士的であった。だが、ユンゲが秘書として働いていた時期はドイツにとって苦戦が続きやがて訪れる敗北に一歩一歩近づいている時期でもあった。ヒトラーの最後の瞬間まで側にいた人しか書けない作品だと思う。2022/05/02

e

16
昔からヒトラーには興味があったのと、今の自分と同世代の女性の手記ということで気になって読みました。特に前半では彼の行った悪事やよく目にする演説している彼の動画から受ける印象からは想像できない穏やかな日々が描かれていて、ハンナ・アーレントの「悪の汎用さ」という言葉を思い出しました。有名な『ヒトラー最期の12日間』はこの手記が基になっているようなのでそちらも見てみたいです。2020/08/26

ののまる

13
最期に向かって弱々になっていくヒトラーの様子が,リアル。秘書であった間にナチスがいったいどういうものかを全く理解しようとしなかった自分を責めて後世を生きた著者だからこそ、残せた証言。2022/01/06

Urmnaf

12
ミュンヘン生まれのトラウデルがベルリンでの仕事を探した際、たまたま総統官邸秘書の仕事を得、ヒトラーの秘書となった。着任時、すでにドイツは劣勢になっており、終戦までの2年半ほどが描かれる。ナチ党員ですらない彼女には、ヒトラーの近くにいるがゆえにかえってナチ政権の悪逆非道ぶりが伝わってこず、普通の上司部下としての日常があった。知らないままで戦争協力をしていた人は大勢いただろうが、ヒトラーのすぐ近くにそうした人がいたことに意外の念。それだけに、描かれるヒトラー(やその取巻き)像が普通すぎて不気味。2022/08/23

SAT(M)

7
映画『ヒトラー 最期の12日間』の原作で、ヒトラーの秘書だった著者による回顧録的作品。ヒトラーの近くで生活していた著者からの視点ということもあり、独裁者としてではなく一人の人間としてのヒトラー像が描かれています。お茶お飲みながら談笑したり、彼女とケンカをしていたり、粗食にこだわる故にコックさんを困らせたり‥。ヒトラーとの生活は平穏であり、時にコメディチックな面もあるのですが、それは破滅に向かっている局面の上に施されたメッキに過ぎず。終盤それがボロボロ剥がれていく様に時代というのものの脆さを感じます。2022/02/13

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