内容説明
かつて、越後国に絶大な勢力を誇った城一族。彼らはなぜ、鎌倉幕府に無謀な戦いを挑んだのか。史上名高い「鳥坂城の戦い」において〈女性の身たりといえども百発百中の芸ほとんど父兄に越ゆるなり〉と称賛された強弓の名手、板額御前。彼女の波乱に満ちた半生を描く、感動の歴史超大作。ついに待望の小説化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
13
歴史学では平然と使う単語や概念は実は当時の人間は持っていない。あくまで現代人から見て分かりやすくするために構築しているのだ。 時代小説はそのあたりを混同しがちで、今作は名前の呼び方なども考察が甘いところがある。 が、そんなこと言っても始まらない。大事なのは物語。坂額御前とその兄たちといった一族の視点のみで動かしているのも分かり易い。家族を守る武士の儚さはストレートに描かれていた。 だが女武者としての描写は今一つ。恋でなくとも良いが武士と女を同時に魅せる主役が欲しかった。2020/10/15