内容説明
NHK「わたしが子どもだったころ」で大反響! 10歳のわたしはホームレスだった――お父ちゃん、明日はご飯を食べられる? 昭和35年、10歳の著者は、父とともに、東京・池袋でホームレスとして暮らしていた。健気に生きる少女を支えてくれたのは、貧しくも心優しい人々だった。40年以上も胸に秘めてきた、つらく悲しい記憶を辿る著者の心の旅。生きる人すべてを勇気づける、児童作家の壮絶な自叙伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
7
高度成長期の真っ只中の昭和35年、東京。複雑な家庭環境から、著者の小5時代の一年に渡るホームレス生活が描かれた回想録。かなり悲惨な状況にも関わらず、家族や友達を思いやり、健気に振る舞う彼女。子供であるがゆえに身内を助けられないと嘆く彼女。親は親で子の為に必死。と、そもそもこういった状況を作り出したのは … 。いつの時代も煽りを喰らうは国民ばかり。2014/07/19
たみき
4
ただただ衝撃。日雇いで日々の生活ギリギリのお金を稼ぐ父と著者10歳の一泊100円簡易ホテルでの日々。お風呂にも入れない、行きたい学校にも行けず、時間潰しに寄った学校も他の生徒を見て隠れるように逃げる姿、親を助けるために10歳の子供がパチンコを打つ姿他とにかく衝撃だった。でも父親も必死で子供に愛情を注いでる。救いようのない生活だけど手を差しのべてくれる人々がいて、他人が他人に無関心でない時代だったんだと思った。失礼かもしれないが、著者は今の地位をよくぞ築いたと思う。すばらしい。2011/06/12
yomineko@ヴィタリにゃん
2
余りにも可哀相で涙が出た。その後教員になられたと知り安堵した。2017/10/31
・
2
父と放浪し始めるのは、作品の半分をすぎてから。また、作者の自己愛と自己憐憫がひしひしと感じられ、なぜかむしょうに腹立たしかった。どことなく偽善者っぽくもある。この作者と同世代の作家たちは、やはり自伝小説を書いており、この話にせよそれらにせよどれほど『自伝』的要素が含まれているかは不明だが、少なくとも(私ってかわいそう、私ってしっかりした子だったの)などと過剰アピールはしてこなかった記憶がある。映画『誰も知らない』や小説『ふがいない僕は空を見た』など毒のある作品をある程度知っているせいもあったが。2014/05/20
kamekiti-tv
2
上条さんは児童文学者になるべくしてなったんだなぁ。育てのは市井の普通の人々。映画館のお姉さんもご近所の皆さんも、社会が皆で誰かのこどもを見守り、育てていた。現場が現場の判断で動くことができた時代だったんだと思う。映画館のお姉さんなんか、まさに社会への投資だったんではないだろうか。彼女はこどもたちの嘘に気づいていたはず。でも、こうやって未来への想像力と感性が育てられ、それが創造力となって「今」を、新しい「日本」を創って行ったんだ!素晴らしい自叙伝だと思う。私の記憶に残しておきたい書籍のうちの1冊。2011/09/25
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