プロパガンダ[新版]

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プロパガンダ[新版]

  • ISBN:9784880862682

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内容説明

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エドワード・バーネイズは「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれたアメリカ人広報マン。1891年ウィーン生まれ。1995年に没したが、戦争宣伝から商品の売り込みまで、ありとあらゆる宣伝活動(プロパガンダ)に従事した。心理学者ジークムント・フロイトの甥であり、多様な心理学手法を駆使して世論操作、大衆の合意形成を行う。「プロパガンダという技術をプロパガンダする」目的で書かれた本書は、W・リップマン『世論』と並び、PRマン、広告関係者必読のバイブル的な存在となっている。

目次

[訳者まえがき]中田安彦
[第1章]大衆をコントロールする
姿の見えない統治者/プロパガンダの必要性/大衆をコントロールするメカニズム
[第2章]新しいプロパガンダの誕生
プロパガンダは大衆説得の技術/プロパガンダの意味/プロパガンダを定義する/大衆の同意/戦争宣伝から平時の利用へ/流行はこうしてつくられる
[第3章]新しいプロパガンディストたち
影響力のある実力者/
コントロールされる社会生活/PRコンサルタントの誕生 /PRコンサルタントの職掌/企業の命運をにぎるもの/倫理と規範の背景
[第4章]心理学を応用したプロパガンダ
プロパガンダは科学だろうか/大衆はリーダーに従う/真の行動動機とは何か/繰り返して習慣にする/連想させるプロセスの重要度/消費者の関心を呼ぶからくり
[第5章]巨大化する企業と大衆の関係
需要を作り出す時代の到来/企業にとっての新しい競争/PRの多様性と健全性/「継続的アピール」と「話題づくり」/巨大化した企業、巨大化する責任/消費者以外へのアピール/世論を味方にするための戦略/広告が生んだ新たな競争/薄利多売を脱する付加価値の創造/企業の危機管理とプロパガンダ/
[第6章]プロパガンダと政治家のリーダーシップ
政治プロパガンダの必要性/産業界から学ばない政治家たち/大衆のニーズを調査する/政治にも必要な資金計画/感情に訴えるプロパガンダの功罪/どんなメディアを用いるべきか/大衆を動かす/政治における新しいプロパガンダ/分析的な耳と観測気球/政治家の未来像とプロパガンダ/
[第7章]女性たちもプロパガンダを使って団結する
女性によるプロパガンダの成功例/女性だからできるプロパガンダ
[第8章]教師や学校だってプロパガンダを行うべきだ
教師が行うべきプロパガンダとは何か/資金問題を解決するプロパガンダ/今日の大学が抱える諸問題/教育プロパガンダにまつわる倫理
[第9章]社会福祉事業におけるプロパガンダ
富裕層の支援を得る方法/黒人差別との闘いの事例/社会福祉事業はプロパガンダそのもの
[第10章]芸術と現代ビジネスとプロパガンダ
美的価値に目を向けはじめた産業界/改革されるべき美術館/科学分野への応用
[第11章]プロパガンダのメカニズム──どのように伝わるか?
新聞報道とプロパガンダ/雑誌・講演会そしてラジオの位置づけ/映画と著名人のキャラクター/この世からプロパガンダが消えることはない
[訳者解説]中田安彦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

39
巻末に訳者の解説があり、そこを読むだけでも十分だともいえます。著者がフロイトの甥であるという一点が重要です。プロパガンダは、まずは戦争の世論形成に使われましたが、戦後は女性の喫煙率上昇キャンペーンに使われるなど、大衆の無意識のコントロールに効果を発揮します。プロパガンダ(PR)はパブリック・リレーションズ(PR)に名前を変えます。習慣や人生観からはじまり、集団や組織を形成し、思考の型を刷り込みます。社会に存在する姿の見えない統治機構が、ある集団内の人間を動かす動機を操作するのが問題と思うかどうかです。2019/05/18

ロア

15
巨大企業とマスメディアが手を組んで、密かに且つ堂々と行っているプロパガンダは、今はソフトにPRと呼び名を変えた。一定の方向へ思うがままにコントロールされる大衆を高みの見物さぞかし愉快なことでしょう(*´ω`*)2021/08/05

長岡紅蓮

6
広報・宣伝の技術の本質について書かれた書籍。原書自体は1928年に書かれたものであり、技術の本質は不変なのだと驚かされる。特に「第4章 心理学を応用したプロパガンダ」は、情報を仕掛ける側の人たちだけでなく、情報を受け取る側の人たちにも必見の内容。日常の中で自分の意思だと思って行動していることは、実はマス・メディアによる広報・宣伝によって習慣として刷り込まれていたりもする。無知であることは恐ろしい。様々な自分のメディアを持てる現代だからこそ、是非本書の内容を活用して自分の可能性を広げたいと思う。2018/04/07

ぽん教授(非実在系)

3
ジグムント・フロイトの甥でもある著者は当時の心理学を総動員してプロパガンダ・PRを事業とし大成功を収めた(戦争の時も大活躍する)。その実績を引っ提げて大衆向けに「プロパガンダの有用性のプロパガンダ」したものが本書である。理論化が素朴な段階であるので本書の内容も幾分経験的であるものの、今でも通用するような事例が多く載っていて参考になる。アロンソン=プラトカニスによる『プロパガンダ』やチャルディーニ『影響力の武器』のプロトタイプかつ実務家視点の内容であると言えよう。2016/06/01

makkachinn

2
日本のメディア、広告代理店はこの本をマニュアル化して活動しているのではないかと思わせるような衝撃的な内容。 政治、女性団体、学校、芸術による洗脳なども説いている。本書を理解すればその手の活動に振り回された己の過去に疑問を抱くようになるかもしれない。本書は1928年に刊行されたため、ネットについての言及がされていないのが難点だが、基本的なカラクリは大体同じように感じた。2020/07/20

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