内容説明
リスクを受け入れ、他人とずれながら持久走。それが、コロナの時代。新型コロナウイルスのパンデミックが無効化させた、ゼロサム競争、同調圧力、新自由主義。経済格差や分断が急速に広がるなかで、感染対策と経済活動に引き裂かれる社会。これまでの日常が非日常となった今、明日に向けての指針とは? コロナ禍における心身自由な生き方について、5月、6月、7月と変わりゆく状況下で語り合ったすべてがここに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tokko
29
あまりに同時進行的に今現在も状況が変化しているため、正直この論件についてはまともに考えることができないでいました。少し落ち着いてこの「コロナ禍」の状況を考えたかったので、内田先生の対談ならばという気持ちで読みました。各国の感染症対策についても今この時点で正しかったのかどうかなんてわかりません。今後もこのウィルスによる感染拡大は繰り返されるだろうし、事後的に振り返ってようやく事の成否を問うことができるのでしょう。だいたい何を持って「成功」と見るかも、人によって微妙に異なっているように思います。2020/09/27
kum
28
2020年5月~7月の対談集。今後何度も波はくるだろうと予測した上で国の在り方がこうして提言されていたにも関わらず、今もって本質的な部分は変わっていないと思える。 失敗体験を蓄積せず教訓を見つけず反省もしないこと、問題をどう解決するかよりもその場をどう丸く収めるかが会議の目的になっていることなど、忖度や無責任体質についても厳しい言葉が並ぶ。具体的な対策の手前にある政府の体質の問題は根深い。「科学的な態度とは、事実に対して背を向けないこと。たとえ都合の悪い事実でも、きちんと直視すること。」2021/05/17
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
28
感染症専門医として、今回のコロナ禍で日本や世界の取った動きについて解説する岩田氏。専門的見解や予測され得るシナリオもいくつか示していて、その姿勢は非常に科学的で真摯。対する内田氏は、専門的な部分では素人目線でしっかりと聞き役に徹しつつ、起こった現象の政治的あるいは歴史的背景や日本人の国民性などを随所で補足。さらに岩田氏の提言を受け止めた上で、個々人がどのように生活を営んでいけばいいのかを示唆している。コロナ関連の文章はいくつか読んだけど、今のところ本書が最も有益で、かつ「私」に親身に寄り添ってくれている。2020/09/22
こも 零細企業営業
21
元の生活にはもう戻れない。コロナへの対応を加味した生活になるのだろう。そして、第一波の時に岩田健太郎さんが居た医療現場の逼迫具合が危なかったそうだ。そうなると今は、、大丈夫なのだろうか?2021/07/31
ayumii
16
2020年の4月から6月というと、第1波が収束に向かう頃。感染が広まって間もない頃の日本政府の対応とか、世界の対応とか、忘れていたけど改めて思い出せた。今後も10年に1度くらいの頻度でパンデミックが起きる可能性があると…この数年で経験したことを改めて整理しておきたい。2023/03/18