内容説明
あらゆる思考のそもそものはじまりには哲学者そのひとの経験があり,どのような論理にもそれをつむぐ言葉がある──やわらかな叙述と魅力的な原テクストをつみかさねることを通じて,「思考する」ことそのものへと読者をいざなう新鮮な哲学史入門.哲学の祖タレスから中世までを本篇でたどる.近・現代を扱う続篇も近刊予定.
目次
まえがき
凡例
第1章 哲学の始原へ いっさいのものは神々に充ちている タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス
第2章 ハルモニアへ 世界には音階があり、対立するものの調和が支配している ピタゴラスとその学派、ヘラクレイトス、クセノファネス
第3章 存在の思考へ あるならば、生まれず、滅びない パルメニデス、エレアのゼノン、メリッソス
第4章 四大と原子論 世界は愛憎に満ち、無は有におとらず存在する エンペドクレス、アナクサゴラス、デモクリトス
第5章 知者と愛知者 私がしたがうのは神に対してであって、諸君にではない ソフィストたち、ソクラテス、ディオゲネス
第6章 イデアと世界 かれらはさまざまなものの影だけを真の存在とみとめている プラトン
第7章 自然のロゴス すべての人間は、生まれつき知ることを欲する アリストテレス
第8章 生と死の技法 今日のこの日が、あたかも最期の日であるかのように ストア派の哲学者群像
第9章 古代の懐疑論 懐疑主義とは、現象と思考を対置する能力である メガラ派、アカデメイア派、ピュロン主義
第10章 一者の思考へ 一を分有するものはすべて一であるとともに、一ではない フィロン、プロティノス、プロクロス
第11章 神という真理 きみ自身のうちに帰れ、真理は人間の内部に宿る アウグスティヌス
第12章 一、善、永遠 存在することと存在するものとはことなる ボエティウス
第13章 神性への道程 神はその卓越性のゆえに、いみじくも無と呼ばれる 偽ディオニシオス、エリウゲナ、アンセルムス
第14章 哲学と神学と 神が存在することは、五つの道によって証明される トマス・アクィナス
第15章 神の絶対性へ 存在は神にも一義的に語られ、神にはすべてが現前する スコトゥス、オッカム、デカルト
あとがき
関連略年表
邦語文献一覧
人名索引
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壱萬参仟縁
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