集英社文庫<br> ノン・サラブレッド

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集英社文庫
ノン・サラブレッド

  • 著者名:島田明宏【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 集英社(2020/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087441406

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内容説明

明治時代の名馬ミラ。血統書がなく、その子孫は非サラブレッド=サラ系と分類された。1970年代、厩務員の大谷はサラ系の名馬ミラの子孫を担当する。その馬は彼や周囲の思いを背負い活躍し始める。舞台は現代に移り、競馬記者小林のもとに、ミラの血統書の存在をほのめかす電話が……。一枚の血統書が競馬の歴史を根底から変えるのか。人々の夢を乗せた「もし」の結末は。壮大なる競馬史ミステリー。

目次

一八九九年 名牝
一九七×年 鮫のような馬
二〇二×年 タレコミ
一九七×年 野生児
二〇二×年 生産者
一九七×年 人馬一体
二〇二×年 新冠御料牧場
一九七×年 馬の声
二〇二×年 サラ系
一九七×年 弥生賞
二〇二×年 日高種馬牧場
一九七×年 皐月賞
二〇二×年 根岸競馬場
一九七×年 日本ダービー
二〇二×年 養老牧場
一九七×年 有馬記念
二〇二×年 ノン・サラブレッド

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

62
競馬界では血統が最重視される。素晴らしい実績を残したミラだが、輸入手続きで血統書が紛失していたため、「ノン・サラブレッド(サラ系)」として不遇の扱いを受け続けた。その能力から「絶対にサラブレッドだ」と多くの関係者は思っていたけど、証明できなければサラブレッドではない。ここまで能力を血統に依存する姿勢が、いっそ清々しい。これを人間でやると「アーリア人種の優秀性を信仰してホロスコープをやったナチ」や「特定疾患をもつ人に、無断で不妊手術を施した昔の日本」という話しに繋がるけど、馬だしなぁ。同じ生き物だけど、、、2022/03/22

のびすけ

28
サラ系・ホーリーシャークと、その6代母ミラの血統書をめぐる物語。ホーリーシャークはフィクションだけど、血統不詳のミラは実在した名牝で、初代ダービー馬のワカタカや二冠馬ヒカルイマイが、ミラの血を引く「サラ系」だったことを初めて知った。日本競馬史を辿るサラ系事情をとても興味深く読ませてもらった。ホーリーシャークと厩舎関係者たちのダービーを目指すドラマも緊迫感があって面白く、なかなかの読み応えの一冊でした。2023/12/05

しげき

12
日本のサラブレッドの血統を辿る競馬ミステリー。この本を読むまでサラ系がノン・サラブレッドと分類されてるのは知らなかった。たった1枚の血統書が存在したのなら・・本当に日本競馬の歴史は変わっていた思う。2020/09/12

りんだりん

12
以前、毎年のように夏の終わりに訪れていた北海道日高地方。文中に出てくる道路やスポットにいちいち思い出があり、風景が鮮やかに甦ってくる。内容は、サラブレッドと認められなかった(認めるすべがなかった)一頭の牝馬と、その子馬、そして取り巻く人々の物語。ここにサスペンスの要素が加わる。 私は、このサスペンスの要素があまり好きではなく(ということは作者の作風が好きでないこととイコールに近いが)、やはり純粋なサラブレッドと人間の物語を欲してしまう。ジャンルが違うとはわかっていても宮本輝の「優駿」と比べてしまう。★32020/08/11

大塚みなみ

9
70年代のJRA厩務員と現代の競馬記者。2つの筋が並行して進む。特筆すべきは、70年代編のレース描写が素晴らしい、ということ。文章だけでドキドキ、ハラハラさせてくれる。さすがは当代随一の競馬ライター、島田明宏さん。馬の成長過程や、厩舎周りの人間関係の描写も自然で、ノンフィクションと言われても納得してしまうレベルだ。だが現代編はやや退屈。ディテールの書き込みが過剰なわりに展開が少なく、読むリズムが滞った。謎解きの結末には、良心的な競馬ライターらしくバランス感覚に優れた答が待っていて、気持ちよくゴールできた。2020/10/31

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