内容説明
全高23メートル、重量78.5トン。
巨大合体ロボ「ダブルオー」は、国民の血税でつくられている!
会社をリストラされた雨月らは、環境庁所管の合体ロボットのパイロットに、何故かスカウトされた。
自衛隊の戦車も攻撃ヘリも通用しないナメクジ怪物と戦う羽目になり…。
第3回日本SF新人賞佳作入選作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すしな
40
012-23.著者の坂本さんは公務員との2足の草鞋をはくSF作家さんということで、SF部分よりむしろ公務員の悲哀の方が面白かったです。内容的には、人間の怨念が怪物化してそれを倒すロボットという構図ですが、今でこそ呪術廻戦やチェンソーマンのような作品が人気ですけど、作品発表当時の2002年には奇抜なアイディアではなったのではないでしょうか。若干、怪物側の掘り下げ方が雑だったり、世界が終わりそうな緊迫感が薄かったりもしますが、世界観の深さより、構想力を楽しむタイプの本かなと思いました。2023/01/23
海猫
17
話はゲッターロボっぽいが作品のトーンは初期ウルトラシリーズを思わせる。やたらと世知辛い設定と文章がなんともいえないユーモアを醸しだしておりたいへん楽しい。描写されるダブルオーの外見や乗組員三人も決してカッコよくないのだが地味に熱いドラマに突入してカッコよく思えてくる。負け犬たちの復活劇としてもロマンがあった。これはぜひ映像化してほしいですねえ。いまどきのCGではなく昔ながらのミニチュア特撮で。2013/11/18
キキハル
16
面白かった~!これぞ娯楽小説です。巨大戦闘ロボット・三体合体・名もなきヒーロー、とくればそれだけでもうワクワク。とても楽しく読みました。軽いけれど細かいところがやけに現実的なのも可笑しい。操縦者に選ばれたアメ・イモ・エビの三人は、各人の特技や能力を活かして敵のDDをやっつけるのです。たとえ給料は安くとも、実は地味に格好悪いフォルムのロボットでも。家族を街を国民を守るために立ち上がり、命を懸けて戦うのです。笑って共感してホロリと落涙もして。元気と勇気をもらったら、やっぱりこう叫ばなきゃ。行け!ダブルオー!!2013/12/08
ひさか
12
第3回日本SF新人賞に佳作入選したものを改題して加筆修正し、2002年6月刊行。「チェンジダブルオー」の掛け声高らかに3体合体する巨大ロボのSFギャグアニメ仕立のような物語。良く出来たお話で、夢中になってしまいました。2015/09/07
タケミチ
7
第三回日本SF新人賞の佳作を受賞したもの。合体ロボが現実に存在するつじつま合わせが面白い。著者のバックボーンが活かされている。巨大合体ロボもののアツさもちゃんとあり、良くできている。2021/01/02