内容説明
突如、牛たちが人間並みの知性を獲得した。
TVプロデューサー御手洗は、「我々を食べるな」と訴える牛を担当番組に出演させる。
世論は動き、やがて「牛権法」が制定されるが…。
第3回日本SF新人賞受賞作。
※本作品は、「マーブル騒動記」を加筆修正した新装版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hundredpink
38
第3回日本SF新人賞。突如、知能を獲得した牛達が牛権を主張する。コメディ要素無し重圧なストーリー。知られざる傑作小説。2018/07/24
ひさか
20
第3回(2001年)日本SF新人賞受賞作さらば牛肉を2002年6月改題して徳間書店から刊行。再読。知能を獲得した和牛が牛権を主張し…という話で、牛の彩菊秀ことモー太郎の語り口と語る内容が面白い。テレビ局の御手洗と妻と子、農林水産省の美紗緒と登場する人たちも興味深く大風呂敷を広げた作品ではないもののきっちりとした展開はよくできていて楽しめる。「それがいいでしょう。どうですか、皆さん。」と選者の小松さんが受賞決定を言い渡す場面が目に浮かぶよう。2022/11/30
すしな
19
009-22.人間は知性のある動物を食べられるのか?食べられるために生まれてきた牛が知性を持った時にどうなるかというSF作品した。こういうテーマだとビーガンっぽい方向になるのかと思いきや、作品の動物擁護派もドライな態度をとる一面があったりと、現実の世界でも、人権を謳えている団体が隣国の人権問題は見て見ぬふりを決め込むように、本音と建前の間で生きる人間のリアリティが描かれていました。日本が沈むような派手さはないですが、普段は気にしていないような社会の歪みをつくような味わい深さがありました。。2022/02/11
本の蟲
11
牛が突如高い知性を獲得。食うな殺すなと牛権を主張する第3回日本SF新人賞受賞作。徳間書店の日本SF新人賞は第2回(犬SF、猫SF同時受賞)といい動物シリーズか、と。未読だが最近では「ゴリラ裁判の日」とか、人並みの知能を持つ動物と対話するというのはSFで昔からよくある。本作ではさらに被食捕食の関係性。動物愛護の声に傾く社会と、その揺り戻し。食べる動物の知能は、食欲に影響するかという思考実験。経済動物を愛情を持って育て、市場に卸す生産者の気持ち。なぜ日本の牛だけが知性化したかという仮説まで含む傑作牛SF。(続2024/05/19
みかりん
10
初読み作家さん。面白かった。もし牛が知能わ獲得したら。モー太郎との交流とっても良かったです。最後が 切ない終わり方が辛いです。2017/07/04
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