内容説明
弁当工場でバイトしながら、三流大学に通う高良伸晃は19歳。
教室で、陸安娜という中国人女子学生に惹かれる。しかし、安娜に恋心をずたずたに引き裂かれ、中国に短期の語学研修へ。
その後、上海で偶然出会ったバイトの先輩に頼まれ、盗難車の移送のため、上海から西安、そして黄土高原の沙漠へと向かう。
中国大陸を疾駆する道中で出会った人々の凄まじいドラマ。
水漏れした心が旅の中でたどり着いた世界。
動くことへ熱く駆り立てる長篇青春小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ざるこ
53
中国人女性との恋から始まるノブの迷走とも青春とも冒険とも言える体験。「入れ歯の入った水でも飲んでるよう」「核実験でもやったらよさそうな荒野」初読み東山さんの文章は例えがキレてて好み。恋はきっかけに過ぎない。中国に渡ったノブが人や文化に触れ体感すること。歴史に振り回された庶民の諦めとか不条理とか聞けばきっと誰もが反発したくなる。でも非力な思いつきの正義を振りかざしたところで救われることはない。現実は残酷。社会の大きな流れには身を委ねるしかない。やるせないけどひきこもりだったノブの自己主張は成長の証だと思う。2020/10/23
Nissy
30
途中までは勘違いな若者のはちゃめちゃな恋物語かと思っていました。会話やエピソードが可笑しくて、逆にそれが哀愁を誘うというか、何とも捉えどころのない感じでした。それが、最後のパートで中国内を車で疾走する辺りから、硬派な展開になって、物語の背景の濃さに読後はしばし茫然としました。東山彰良さんは初読みですが、なかなか面白い小説でした。2020/10/12
DEE
18
手紙をネットの裏掲示板に晒されたことから引きこもりになった主人公の高良。 入学したFラン大学で中国人に恋をし、それがきっかけとなり彼は中国へ渡る。 自分探しという表現はあまりにもチープだけど、盗難車を輸送しながら広い世界で足掻くことで、見えていなかったものが見えるようになっていく。とにかく今の場所から一歩でも先に進むこと。わかっていてもそれは現実世界では難しいことかもしれない。でも高良は身をもってその大切さを教えてくれる。2020/11/05
あつ子🐈⬛
15
「動け。空回りする人生から」いい帯文。好きだなロードノベル。三流大学の学生で元引きこもりの19歳男子が、恋に破れて中国へ。危なっかしい現地バイトにいそしむうち様々な人生模様に触れる物語です。割に酷いめに遭ってるし遭わせてもいるのですが、全然湿っぽくならないのは大陸仕様だからか。日本の若者は嫌がる人多そうですが、若いうちに海外を旅してローカルフードを楽しみ、現地の言葉で人の群れに入っていく経験を一度はした方がいいと元旅行代理店のお姉さんは思うのですがね…本書のラスト、砂漠の蜃気楼のようだった。良かったです。2025/08/02
マサキチ黒
11
なんだこの中2病の主人公は。最後まで持つのか?「ミスター・グッドドクターを探して」の失望感が蘇る。もともとは「さよなら的レボリューション再見阿良」の改題したものだとの事。360頁のうち、250頁までは評価に値するモノではない。革命から逃げてきたからキスしてくれと騒々しい男に姉が「帰って来るな。そのまま中国でのたれ死ね!」と叫ぶのも道理。ただ、終盤は奇跡的ワンダーランドだ。そこにたどり着くまで耐えられるのか、が問題の物語。東山さんのファンになってから読んではいかがかと存じます。もちろんオススメです(笑)。 2021/03/22




