内容説明
美貌の娘と四人のおっさんたち。法の目を抜けて、はびこる悪事を苛烈に過激に叩き潰す!
町名主の保土屋左兵衛の持ち家に強盗が押し入り、妾と手伝いの娘を斬殺し、有り金を奪って逃げた。盗賊火附改同心の熊坂小吉は、酸鼻を極める血の海の家の中。そこを綺麗にする清掃人たちのなかに、その場にそぐわない美しい小娘が働いているのを見つける。彼女の名は小夜といい、奉行の松平彦左衛門永図のお声掛かりで働いているという。熊坂が探索を始めると、小夜も何かを探っているようだった。理不尽に殺された人の無念の声が聞こえる少女の直観が罪と真実を暴く。
第一話 美魔女
第二話 島破り
第三話 女賊の嵐
第四話 茶室の怪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
82
地獄の清掃人。てっきり悪人を人知れず闇に葬る清掃人かと思いきや、殺人事件後の血の海の家を綺麗にする仕事を生業とする18才の小夜。そんな作業現場で働く小夜を盗賊火附改同心熊坂小吉がみつけ、奉行の松平彦左衛門のお声掛かりで、熊坂小吉の密偵として働き事件を解決する。シリーズ化になれば良いですね。 2020/11/14
タイ子
69
タイトルと表紙からどろどろの小説かと想像していたら、思ったより人情味のある時代ミステリーものでした。小夜という18歳の少女。惨劇のあった血みどろの部屋を黙々と掃除をする少女、義父殺しという哀しい過去を背負って生きている。彼女の持つ犯人への直感力を見抜いた奉行が捕物の札を持たせ盗賊火附改同心の配下として働かせることに。小夜も奉行も同心も悪いヤツは絶対許さないと捕えたら容赦のない半死半生の仕打ちにビックリ!小夜の密偵ぶりも女優さながらでなかなかの仕事人ぶり。面白いのでシリーズ化して欲しい。2020/10/16
はつばあば
43
どうしたことか注文した紙本2冊が同じような霊のお話で、小夜の未来が「霊能捜査官七海」じゃないだろうかと(#^^#)。地獄の清掃人などとおどろおどろしい題ですが、今の事故現場清掃人のような仕事をきれいな娘さんがしているのですから誰だって興味はありますよね。自分の娘を引き込んだ男に汚させる母親って有り?。その時点で母親じゃ無いし!。生きる上での理不尽さに、無残な目に合った人の霊の声が聞こえる小夜。その小夜の能力に目をつけた盗賊火附改長官だ。ね!「地獄の清掃人」のあと「F霊能捜査官橘川七海」を是非(#^^#)。2020/11/20
fuku3
13
2021年2月20日読了。表紙と題名がまるでホラーなのでそっち系の話かと思ったら!事件現場の清掃を生業とする小夜18歳、人には言えぬ過去を背負って盗賊火附改奉行の松平彦左衛門に目を掛けられ密偵として働く物語…。小夜の不憫な生い立ちには同情するばかりであるが、今一つ小夜のキャラがよく分からない⁉︎もっと悪を憎む冷徹な氷の女みたいな⁉︎一本筋の通った物もなく!少し事件の見立ての勘がいいかな⁉︎主人公にしてはキャラが弱過ぎ⁉︎事件の筋も薄く直ぐに犯人が分かって仕舞う‼︎シリーズなら次巻はどうしょうて感じ!2021/02/20
ブルーノ
8
初読みの作家さん。殺人現場の清掃を生業とする若い娘が主人公というのでどんなスゴい人物なのかと思ったら、小夜は他の人よりも勘が鋭いくらいの至って普通の女性で、盗賊火附改の同心たちと共に事件の真相に迫るのだった。少しずつ明かされていく小夜の身の上や同心たちとの捕物にドキドキしながら読んだ。続編が出るようなら読んでみたいと思った。2020/11/29
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