内容説明
2014年香港で起きた民主化運動「雨傘革命」リーダーにして2018年ノーベル平和賞候補、ジョシュア・ウォンによる初の書籍。香港で、世界の最前線でいま、何が起こっているのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
69
心底から突き上げる想い。源泉は生まれ育った故郷と、ヒトへの愛情。目の前の現実の違和感と、その違和感に光を当てる出会いの数々。「白色テロ」が物心両面で迫りくる緊迫感も、著者の夢や意思を曲げることはない。但し法的にも理詰めで、ジワジワ追い詰めよる政府への対抗戦略が見えないのが痛い。国際世論?心情的には理解も、実効性は腹落ちしない。本著は抗議活動と同等に、獄中生活にページを割いており、印象的なのが、獄中で再認識した家族への感謝を口にする件。一国二制度、理想論ではあるが、非暴力に基づく落とし所を見いだせないのか?2021/05/09
まると
16
著者は報道でもよく見る、香港の若き民主化運動のリーダー。中国返還直前に生まれ、日本のアニメとハリウッド映画をこよなく愛する普通の少年が、中国政府が巧妙に仕掛けてくる言論弾圧、本土化の波に気づくのにそう時間はかからなかった。その生い立ちや獄中記も絡めたメッセージを読むと、強い意志を備え、柔軟に成長できる青年であることがよくわかる。著者がこの本を著した後、事態は急変して一国二制度はあっけなく崩壊。彼はいま再び獄中にいる。非暴力への暴力、それを批判する国際世論も容易には通じない国だけに、行く末が心配でならない。2020/12/10
ののまる
15
ジョシュア、収監を覚悟しているけど、本当に心配。それにしても、なんと早熟な民主人権活動家なんだろう。大人がダメなら僕たちがやる!自分たちは自分たちの子ども世代に胸を張るのだ、という決意。2020/09/06
takeapple
12
今日の香港は明日の世界と言うことだ。人権と民主主義を大切だと考えるなら、香港の民主化運動を対岸の火事とするのではなく、自分ごととして捉える必要がある。普通選挙が認められておらず言論の自由が保障されていない香港では、あらゆる手段を使って国家権力と闘い自由と民主主義を勝ち取る必要があり、それは人民の権利である。中華人民共和国政府は、人民の側に立った革命勢力ではなく、その成立の最初からスターリニズムによる独裁を目指した抑圧権力である。ジュシュア・ウォン氏の不屈の精神を支持したい。2020/12/26
Hiroo Shimoda
11
日誌が元なので、まさに「いま何が起こっているのか」の息づかいが分かる。様々な権利を主張する意見が黙殺されるのは日本にも通じる。2020/10/22