講談社学術文庫<br> 食はイスタンブルにあり 君府名物考

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講談社学術文庫
食はイスタンブルにあり 君府名物考

  • 著者名:鈴木董【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784065208366

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内容説明

かつて500年に亘り、栄華を極めたオスマン帝国。
東洋と西洋、イスラムとキリスト教という文明と宗教の交差が生み出した
大首都・イスタンブルで、当時、人々はなにを食べ、どんな暮らしをしていたのか?

1500坪の台所で260余名のコックが、年に600万円予算で贅を尽くしたトプカプ宮殿の献立。
食事が足りないと鍋を投げて暴動を起こした、屈強たるイエニチェリ軍団の食い意地。
施しこそ敬虔な信仰の証、と貧者への給食すら豊かだったこの帝国を、
当時の料理書や、市場で売られた食材物価表までたどって、細やかに検証。
オスマン帝国の興亡を「食」で大胆に考察する。

目次

巻ノ一 古都は食をはぐくむ
巻ノ二 遊牧の遺産
巻ノ三 ケバブのみがトルコ料理にあらず
巻ノ四 イスタンブルの市場めぐり
巻ノ五 君府料理尽し
巻ノ六 貧者の給食
巻ノ七 トプカプ宮殿の台所
巻ノ八 スルタンの食卓
巻ノ九 祝祭の饗宴
巻ノ十 「土」風から「洋」風へ

学術文庫版あとがき 


今でも、トルコ語で「大鍋を覆す」といえば反乱を起こすことを指すが、事態がそこまでいかなくとも、俸給支払いの日のスープをイェニチェリたちが飲むのを拒むとなれば、帝都の騒擾につながりかねず、下手をすれば当面の政権の担当者たる大宰相の首が文字通り飛んでしまう。トプカプ宮殿の中庭でのイェニチェリへのスープの振舞いは、(略)、一大国事でもあった――― 巻ノ八 スルタンの食卓より

本書の原本は、1995年、NTT出版より刊行されました。

目次

目次
巻ノ一 古都は食をはぐくむ
巻ノ二 遊牧の遺産
巻ノ三 ケバブのみがトルコ料理にあらず
巻ノ四 イスタンブルの市場めぐり
巻ノ五 君府料理尽し
巻ノ六 貧者の給食
巻ノ七 トプカプ宮殿の台所
巻ノ八 スルタンの食卓
巻ノ九 祝祭の饗宴
巻ノ十 「土」風から「洋」風へ
学術文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

38
トルコ料理は世界三大料理の一つとされながら、フランスや中華に比べ関連書籍が少ない。日本人はケバブくらいしか知らないし、イスラムの影響も考慮しないとわからない部分もある。そんな謎めいたトルコ食文化の成立を、オスマン帝国の歴史と共に明らかにしてくれる。東西の通商路が交差する大帝国の首都だからこそ発展した料理の詳細が楽しく、トルコ旅行中しきりに飲んだ甘すぎるチャイの味を思い出した。ただイスラムの教えのため酒はないとしているが、現地の強い蒸留酒を水と間違えて一気飲みしてしまった過去がある者としては物足らなかった。2020/10/21

サケ太

26
イスタンブルの食文化史を俯瞰できる一冊。ビュザンティオン、コンスタンティノープルから、オスマン帝国の支配によりイスタンブルと呼ばれるに至った都市、もしくはオスマン帝国自体を舞台に、その地で食べられた様々な食事、食材。様々な土地から多くの食物が集まってくるという面白い土地柄。食事は多くの人々にとっての基礎であり、それがイェニチェリも支えていた(羊肉を安値で買えていたという)というのだから面白い。後に国庫にまで圧力をかけるまでになるというのは凄い。食文化の緩やかな変化。現在のイスタンブルの変化も興味深い。2020/10/06

トムトム

11
もっと見た目とか食べた感も書いてほしかった。2024/04/16

niz001

8
トルコ料理、主にイスタンブルの食文化。自分の知識が薄い地域なので興味深い。2020/10/25

しんさん

6
2度のチャンスをコロナに潰されてしまったんだが、イスタンブールツアーはまだあきらめてない。本場のイスケンデルケバブやトルコ天ぷらを食べてみたいし、金閣湾を眺めがら読書三昧の日々を送ってみたい。長生きすんぞ。2022/02/07

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