内容説明
アメリカが取り憑かれ続けてきた強迫観念―「アジア人が攻めてくる!」
中国が日本と結び、西洋世界へと牙を剥く。驚異的な人口のパワーに、欧米は飲み込まれてしまう……
こうした「黄色い禍」という強迫的観念は、日露戦争で日本がロシアに勝利したことをきっかけに生まれた。
そしてこの「人種主義的思考」は、西海岸に多くの日系移民が押し寄せたアメリカにおいてはとりわけ強く刻まれ、形を変えながら現在に至るまで、社会・政治のなかに脈々と息づき続けている。
「我々は白人種と交わることのない人々から同質な人々を作り出すことはできない」
―ウィルソン(第28代米大統領・国際連盟提唱者)が署名したアジア人移民排斥を訴える文書
「黒人はアフリカに、黄色人はアジアに、そして白人はヨーロッパとアメリカにいるべきだと強く思うんだ」
―トルーマン(第33代米大統領)が妻に送ったラブレター
コロナ禍によって黄禍論的思考はいまだ欧米社会に根を張っていることが明らかとなり、アメリカでは人種をめぐる対立がいまもってなお深刻であることが露となったいま、トランプ大統領を生み出したアメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとかなければならない。
【本書の内容】
東洋人の群れ ―「日中同盟」の悪夢
幻の「人種平等」 ―国際連盟設立と人種差別撤廃案、そして排日移民法
汎アジア主義の勃興と破綻
戦争と人種主義
消えない恐怖 ―冷戦下の日米関係
よみがえる黄禍論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
13
黄禍論から見たアメリカの対日外交が中心的な話題。時代の射程を第二次大戦後にも伸ばしていること、日本が凋落してから、アメリカの黄禍論の対象が中国に移りつつあることに触れているのが新しい点か。その議論がどの程度妥当なのかはさておき、アメリカが日中同盟、東アジア共同体の形成を恐れてきたという指摘は、今次の大統領選で存在がクローズアップされた日本のトランプ支持者の目にはどう映るだろうか?2020/11/29
ののまる
6
戦前から戦時中の日本人に対する排日の歴史からコロナまで。日本が経済的に失速したので、いまの「黄禍」は中国。でもアメリカの根底にはアジア人にたいする差別意識は根深い。けれども自分たちを「白人側」と勘違いしている黄色人種の日本人。2025/12/14
maimai
3
白人、黒人、アジア人と様々な人種が築き上げた歴史は差別や偏見の歴史でもあり、国家という単位で戦争に発展することもある。 アジア人が実際Acid atackの対象になったり各国で生物兵器開発に関しては黒い部分があり、ロシアは世界最高峰の研究開発能力と歴史的に日本がロシア兵で生体実験をしていたという731部隊を考えれば日本も他人事のように考えてはいけないのだろうか。 世界が平和であってほしいなんて誰しもが思うことだが国家の陰謀と人類の差別と偏見の歴史がそれを妨げているのだろうか。 2021/05/06
depo
2
図書館本。世界最初に人種差別撤廃を主張したのは第一次大戦後ヴェルサイユ会議での日本だった。しかし、過半数の国の賛成はあったものの、全会一致でなければならないとの議長だったウイルソン米大統領らの反対で否決されてしまった。世界で初めて人種差別撤廃が宣言されたのは第二次大戦後の1948年世界人権宣言であった。しかし、人種差別思考はその後も続いた。日米貿易摩擦の際も、黄禍論が吹き荒れた。2020/11/26
つみれ
1
洋画をよく見るのでハリウッドがいかにアジア人を差別するかは映画の内容以外のところでも多く目にするが、USスチールの件でやっぱり衝撃だったので読んだ。読むとどんよりする。日本は初手からミスったんだとのことだが多分日本人には今後も本当のところを理解するのは無理なんだろう。勿論日本の排外主義・加害の歴史を無視して被害者ぶってはいけないんだが、あるものはあるとして対処しないと。▼図版8、自由の女神と言っているがどう見てもコロンビアレディのパロディだろ。校閲指摘しなかったんか。2025/02/27
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