内容説明
「どこで死にたい」と予め考えていても、自分は変わります。こういう風にすればいいという人はいますが、教科書通りにいくはずがない。誰も自分の死体を見ることはできません。だから何も心配することはないんです。(養老孟司)外科医のときは患者をどうやって生かそうかと考えていました。今は、患者をどうやって死なせようかと考えるのが仕事です。「その人らしい死に方とは何か」「あるべき終わりがあるのではないか」と考えるようになったんです。(小堀鴎一郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
78
同じ時代に東大医学部に学んだ外科医と解剖学者の対談。食道外科の専門医を経て、訪問診療医として「生かすための医療から、命を終えるための医療」を目指されている小堀先生。3000体の死体を解剖し、多くの遺体と遺族を通じて「死は常に二人称」と悟られた養老先生。対談の途中、若き頃の大学受験や医学部の教授選など、82歳同士の懐かしい昔話が続くのはご愛嬌だが、人間は死亡率100%であることを認識し「気がついたら死んでいた」を理想とするお二人の境地は、「死こそ常態 生はいとしき蜃気楼」(茨木のり子)の如く虚静恬淡である。2020/08/17
Take@磨穿鉄靴
48
養老氏と引退した元外科医の小堀氏による対談。養老氏はゲストのようだがお互い良い意味でマイペースに語られていた。養老氏の昆虫への関心は何処からくるのか改めて興味深いと感じた。在宅での看取りについては今のところそれが理想と感じるけど実際はどうなのかな。そもそもこちらが選択出来るだけの知識、経済力があるのかもまだ分からない。分からないならまだ考えても仕方ないから今やりたいことに注力しておこう。★★★☆☆2023/08/14
ハチ
25
私事だが、第2児、3児の双子が生まれた日の午後に読了。誕生の日に、『死』を受け入れるだなんてアンビバレントな読書となったが、2人の巨人の対談の中の死は、生きるための逆照射でメラメラと毎日の生活や人生を生きるんだよ、という力強いメッセージと、深海の底から静かに見つめるような心に響く沈殿物で満たされていた。2020/08/05
スリカータ
24
養老先生目当てで読みましたが、小堀先生は森鴎外の孫であり東大医学部卒で外科医を経て訪問医療に転身という経歴の持ち主。お二人は同い年の82歳。人の生き死にに関しては達観しており、言葉の一つ一つが深い。家で死ぬこと、延命の有無、年老いてからの医療のあり方など私も考えてしまう。90歳超えたら誰しも癌の二つ三つはあるそうです。養老先生も小堀先生も健診は受けないそうで、私も75歳過ぎたら健康診断は受けなくていいかな…。調べ過ぎて病気がみつかることもあるそうです。2023/04/22
玖良やまだ
18
訪問診療医と解剖医の「死」についての対談。「死を怖れず、死にあこがれず」という訪問診療医と、僕は、「気が付いたら死んでた」がいいと言う。この人達は、生と死の境目を軽々と乗り越えているように思えた。あまりにも死に携わるとこんな考えになるんだろうね2020/07/04
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