マンボウのひみつ

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マンボウのひみつ

  • 著者名:澤井悦郎
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 岩波書店(2020/08発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005008599

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内容説明

夜光る,すぐ死ぬ,おぼれる人を助けた,3億個産卵して生き残るのは2匹……数々の噂は本当なのか? 最新研究でわかった,まさかのペンギンとの共通点とは!? これを読まずして,マンボウを語ることなかれ――.いばらの道と知りながらマンボウに人生をかけた若き研究者による,江戸時代以来初のマンボウ・ノンフィクション! [カラー頁多数]

目次

はじめに
マンボウ図鑑/マンボウなんでも博物館/マンボウ料理

I 体のつくりを徹底解剖
1 マンボウが魚であることの証明/2 マンボウのかたち/3 マンボウの解剖(内部形態)
 ○トピック 1 魚の絵や写真はなぜ左向き?/2 魚の模様と方向/3 魚の計測/4 どっちが雄でどっちが雌?

II 化石もあるマンボウの仲間
1 「マンボウの何が知りたい?」アンケート/2 種と分類/3 和名と学名/4 現生種と化石種/5 現在も存在する種/6 現在は存在しない種/7 マンボウはフグの仲間/8 フグはどうやってマンボウに進化した?
 ○トピック 5 沖縄にいる赤いマンボウとは?

III ウシマンボウの謎
1ずっとマンボウが好きだった/2 分類の世界的基準/3 マンボウ研究は難しい/4 広島大学初代マンボウ研究者の時代/5 二代目の時代/6 三代目の時代
 ○トピック 6 生き残った個体

IV バイオロギングが暴く生態の謎
1 可能性のツール「バイオロギング」/2 疑問を持つことから研究は始まる/3 浮力はどこから得ているのか?/4 尾鰭なしでどうやって泳いでいるのか?/5 「のろまなマンボウ」は本当か?/6 東日本大震災に負けない/7 バイオロギングが解き明かした謎/8 昼寝の謎/9 回避の謎
 ○トピック 7 分類屋vs.生態屋/8 魚も寝る

V みんな気になる生態の最新情報
1 天敵・捕食者/2 摂餌・食性/3 寄生と共生/4 分布域/5 成長過程/6 成熟・産卵/7 視野・視力/8 重さ・長さ
 ○トピック 9 鰓に入り込むコバンザメ

VI マンボウと人がつむいできた歴史
1 マンボウ塚/2 人類最古のマンボウの記述と絵/3 学名の語源/4 日本最古の記述と絵/5 「マンボウ」という名が全国普及した理由/6 和名の語源と命名者/7 水族館の挑戦/8 変わりゆくイメージ/9 絶滅危惧種指定/10 食材としての歴史と可食部位/11 食卓のマンボウ/12 毒はあるのか? 薬効は?/13 漁獲方法と数え方
 ○トピック 10 マンボウの地方名/11 町のシンボル

Ⅶ マンボウの民俗今昔―伝承から都市伝説まで
1 夜に光り輝く?/2 禁忌/3 大漁祈願/4 魚をいやす海の医者/5 おぼれた人を助ける/6 死ぬ瞬間に目を閉じる/7 切り身は一晩放置すると水になって消える/8 死因にまつわる都市伝説/9三億個産み生き残るのは二匹/10 ライフル銃でも貫通しない?――皮膚は弱いのか?
 ○トピック 12 マンボウを研究するには?

おわりに
マンボウが見られる水族館/図版出典・提供/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

47
初のマンボウ探求本。「バッタを倒しにアフリカへ」の前野氏を思い出した。著者も博士で、無職と期間限定職員の間を行ったり来たりしている。マンボウ愛に溢れた著者が報われて欲しいと思う。マンボウの研究は難しい。全5種とも世界中に分布し、多くが巨体で、雌雄の見分けができず、稚魚と成魚の形が違う。未だに謎が多い不思議な生物だ。日本で「マンボウ」と呼ばれるものは実は2種だったという話が面白い。3m超の大型種が漁獲された写真は迫力満点。畳と同じ「枚」で数えるだけの事はある。都市伝説にも目配りしてるのが楽しい。2019/08/25

hnzwd

44
体長が3m近くになる。水面からジャンプする。横向きになって泳ぐことがある。。マンボウについて平易な文章で解説した本書は、マンボウについてなんとなく持っていた前述のようなイメージを、研究を通してだったり証跡を基に、丁寧に実態を示してくれます。何よりも都市伝説を根拠が無い、と看破しつつ、なぜこのような噂が立ったのかまで言及しているのは素晴らしい。卵も3億個産まないそうで。。マンボウについてここまで詳しく書いた本はどこにもないと言い切れる一冊。ただ惜しいことに論文みたいに淡々とし過ぎなんだよな。。2018/03/06

活字スキー

30
ユニークでユーモラスなたたずまいからその名前と存在はよく知られるマンボウ。しかし、その実態となるとまだまだ未知の部分が多い。とにかく「どんくさい、デリケート、すぐ死ぬ」というイメージだけが一人歩きしがちなこの魚を愛してやまない若き研究者が、あらん限りの愛と情熱を尽くして語る。カラー写真も豊富、さかなクンも「Mola(←マンボウの学名)を網羅!!」と超おすすめ。2019/10/16

りらこ

21
読めば読むほど、マンボウって不思議な、まだまだ解明されていないことが多い魚なんだなぁと思わされた。著者のマンボウ研究への経緯や熱意や方法などを子ども向けに書いた本。それでもいろいろわかってきたのは最近らしい。北杜夫氏のシリーズ、ドクトルマンボウのネーミングセンスってすごいな!と関係ないけど改めて思った。水族館にマンボウを見に行きたくなる。#Netgalley2019/11/11

おおた

19
サンシャイン水族館で身動きが不自由そうなマンボウを見てつらくなってから、あまり考えないことにしていたマンボウ。しかしマンボウを愛する人の文章を読むと、マンボウを水族館でじっくり観察したくなってしまうから、わたしはいいかげんな人間だ。海洋生物かつ大きくて食用になるほど一般的でないと研究が進まないものだということを知る。本書をはじめ最近は研究史が一般書で分かりやすく説明されることが多く、そこに人々の熱意が感じられて読者としては共感しやすくなる。2018/09/29

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