内容説明
切ない話、不思議な話、心あたたまる話――現在から過去、未来、はたまた“物語”の中など、さまざまな世界を舞台とした連作集。国道四号線に突然現れたゾウに慌てる人々、5年前に別れたときの姿のままの妻子の正体、無愛想なジェフじいさんと皆に愛されるロボットとの交流の行方、母が戻らない時にだけ開けるよう渡された封筒の中身等、15のショートストーリーが詰まった「箱庭旅団」シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
朱川さんの箱庭旅団の第2作です。15の短編が様々な感情をわきたててくれます。前作もそうですが海外ものが楽しめます。「ヴォッコ3710」は星さんの「ボッコちゃん」へのオマージュでしょうか?「黄昏の旗」は不気味な感じです。私はほっこりするものよりも不気味な感じが残るものが好きです。2021/07/02
ポップノア♪@9/1~9/5初入院。でもプチ旅行気分
49
不思議な読み心地の短編15作。街に突然ゾウが現れる「誰もゾウにはかなわない」や、選挙に立候補している○○は実は人間ではないという内容が綴られる「市長選怪文書」、母に連れられて見知らぬ街でひとりぼっちにされる「時計のまち」等、驚きや不安を煽る物語が並ぶ。海外が舞台の話もあり、「ハーメルンの笛吹き男」を想起させた。引っ越した家で怪奇現象が起きる「アタシたちのステキな家」と、タイムカプセルから話が進む「未来人のビストロ」が朱川さんテイストが濃くて好み。どれも『ほんとにあった怖い話』で映像化できそうと思った。2024/12/23
tengen
41
箱庭旅団シリーズ第2弾。 雑多なショートショート15編。 旅立つ、ヴォッコ、運命の女、黄昏あたりが好きかな。 カムパネラの水筒が良くわからない、だれか解説して~ ☆彡 再び旅立つ友へ/誰もゾウにはかなわない/ヴォッコ3710/市長選怪文書/運命の女、のような。/黄昏の旗/人間ボート、あるいは水平移動の夜/未来人のビストロ/一人ぼっちのファニカ/ボクのおじさんはヒーロー/時計のまち/傷心の竜のための無伴奏バイオリンソナタ/三十年前の夏休み/アタシたちのステキな家/カムパネラの水筒2020/04/16
NADIA
30
箱庭旅団シリーズ。連作短編集だが、それぞれのストーリーは場所も時代もばらばらだ。以前の話とリンクした要素があるものもあるが、元の話が分からなくても楽しめる。「時計のまち」では、この世界を巡る少年が一瞬登場するが「この時代にはまだ使われていないけど、この5百円玉ときみの持っている5百円札を交換して」と頼む場面はタイムトラベラーにあるまじき行為で違和感を感じる。この物語を語る女の子が、その結果としてとても悲しい思いをしたこともあるし、少年の軽率さが腹立たしく思えた。 2019/02/27
ぜんこう
19
箱庭旅団の2作目。短編集なんだけどやっぱり不思議な世界がクセになります。3作目も借りよっと。、2025/06/03