竹書房怪談文庫<br> 脳釘怪談

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竹書房怪談文庫
脳釘怪談

  • 著者名:朱雀門出【著】
  • 価格 ¥701(本体¥638)
  • 竹書房(2020/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784812498514

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内容説明

朱雀門出による実話怪談初単著。
学生の頃に帰り道で“自分の顔”が落ちているのを見た奥さんの話をめぐって…「自分の顔が落ちている」、
両親に建ててもらった豪邸に住み始めた矢先、息子が奇怪な行動をし始める「シタ仏壇」、
その場にいないのに写真に写り込む同僚の生霊、なぜ?「血プリン屋」、
誘われて遊びに行った“かおるちゃん”の家での恐怖、夢だと思っていたのに…「かおるちゃん」など、
脳の奥底が痺れるような不気味さ、じんわりと纏わり憑く怪異、拠所ない身の震え…
日常の隙間の不可解を覗き込む38編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こら

58
絶版だったけど、尼でポチってしまいました。朱雀門先生のこのシリーズは、それだけ蠱惑的。実話怪談の趣き深さを教えてくれた諸作の第一弾だけど、最新作等と比較しても遜色ない話ばかり。つまり、独自の世界観が既に完成されていて、読者は此岸のすぐ隣にある彼岸へとするりと誘われてしまう。「自分の顔が落ちている」、「血プリン屋」、「怪談 呪殺寺」等、内容もさることながら、タイトルのインパクトでも掻っ攫われる。大満足。2022/08/04

眠る山猫屋

57
粒揃いの関西怪談。高槻市辺りにゃ行きたくなくなる、もしくは非常に探索に行きたくなるの二択だろうなぁ。理不尽で説明のつかない話が大半を占めていて、怖気がジワジワと来る感じがたまらない。タイトルも怖い『血のプリン屋』では、バイト先の嫌われ者がバイト仲間の写真に写り込むようになり(生き霊?)、放って置くと不幸が重なると夢の中で出会った“血のプリン屋”さんが警告してくるのだが・・・。オチまで厭ぁな感じがまとわりつく恐さ。理由も正体も解決方法も解らないから“恐怖”するのだ。2021/02/13

J7(読メ低浮上中)

54
初読み怪談作家、朱雀門出さん。これは作者が関西出身であることが関係しているのかわからないけど、文章や語り口に独特の柔らかさがあって、怪談だけどあまり厭な印象はない。なんとなく水木しげる先生の妖怪話や、民俗学のおとぎ話を読んでるような気分になる。とはいえ、収録されている怪異譚自体は、中々強烈なものがあり、動物園に展示されていた人の生首そっくりな謎の生物『カープテ』生き霊を除霊するために、血でできたプリンを作らせる『血プリン屋』などなど現実の隙間に現れるには、あまりにも異形過ぎる存在の数々を読むことができる。2017/07/02

HANA

48
実話怪談集。怖くはないのだが、それでも一気読みさせられるほど面白い。著者の怪談愛が伝わってくるからかな。内容は前述の通り特に怖いという話は無いものの、オーソドックスな話あり、関西弁で構成された話あり、随筆を思わせる話あり、とバラエティに富んでいて実話怪談にしては異色。何となく文体から大成した噺家の円熟した語り口を連想した。個人的に面白かったのは『遠野物語』のオマクを思い出させる『まっちゃっちゃやねも』や奇妙な味の短編を連想させる『Who am …』、『巨大な……』等。こう見ると変な話に面白いのが多いな。2014/02/20

田中

37
著者の実話怪談集を初めて読んだ。文章に技巧力を感じる。これまで読んだ実話ものは、後半にインパクトの強い体験談が多い印象だが、この本は、前半におさめられた怪異が不気味である。動物園で目撃した「カープテ」は妙な出来事だ。動物園の怪談というのはあまり聞いたことがないので不思議だった。「熊虎」は、現実に困惑する事象がおきた温泉旅館の意向である。鮮明にビジョン化する不吉な話しだ。話し自体に触れると高熱がでる障りがあるらしい。魔がひそむ奇話は実際にあるので「熊虎」の話しは気をつけたい。【日本の夏は、やっぱり怪談】 2022/08/11

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