集英社インターナショナル<br> 欲望の経済を終わらせる(インターナショナル新書)

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集英社インターナショナル
欲望の経済を終わらせる(インターナショナル新書)

  • 著者名:井手英策【著】
  • 価格 ¥869(本体¥790)
  • 集英社(2020/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797680539

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内容説明

気鋭の財政社会学者・井手英策が、新自由主義がなぜ先進国で必要とされ、広がり、影響力を持つことができたのか、歴史をつぶさに振り返り、スリリングに解き明かしていく。そして経済と財政の本来の意味を確認し、経済成長がなくても、何か起きても安心して暮らせる財政改革を提言。閉塞感を打破し、人間らしい自由な生き方ができる未来にするための必読の書! 市場原理を絶対視し、政府の介入を少なくすれば、富と複利が増大する、という新自由主義の考えは、80年代にレーガンとサッチャーによって実行され、米・英は好景気を迎える。日本では、外圧や、政財界の思惑と駆け引き、都市と地方の分断などの要因から新自由主義が浸透。経済のグローバル化も起こり、格差が広がる。勤労が美徳とされる「勤労国家」で、教育も医療も老後も、個人の貯金でまかなう「自己責任国家」、日本。財政が保障することは限られ、不安がつきまとう。本来お金儲けではなく、共同体の「秩序」と深く結びついていた経済。共通利益をみんなで満たしあう財政への具体策を示し、基本的サービスを税で担う「頼り合える社会」を提言。貯金ゼロでも不安ゼロ、老後におびえなくてすむ社会に!

目次

はじめに
序章 レッテル貼りとしての新自由主義
第1章 新自由主義へ舵を切れ!
第2章 アメリカの圧力、日本の思惑
第3章 新自由主義の何が問題なのか?
第4章 「経済」を誤解した新自由主義の人びと
第5章 頼りあえる社会へ――人間の顔をした財政改革
第6章 リベラルであること、そして国を愛するということ
終章 自由の条件をかたるときがきた!
おわりに
主要参考・引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

42
悪者を見出し(真実か否かではない)、人の視線をそこへ向けさせることで、わが身を守る・・・そんな時代は終わらせないといけない。もう立ちいかなくなっているのは、わかっていると思うのだが、そこの少しの転換ができない環境を作られている。とはいえ、希望を捨てるわけにはいかない。人の営みへの視線から始めよう。2021/03/09

翔亀

38
【人新世6】我が国が小さな政府と市場の自由化を目指す新自由主義に至ったのは、日本政治と国際政治の力学によることを、50年間の歴史の丁寧に跡付けることにより抉り出した名著「経済の時代の終焉」(2015)から5年。コロナはそんな新自由主義によって乗り越えることができるのだろうか、今は大きな岐路ではないか、という関心から最新刊の本書を読んでみた。新自由主義により、誰が幸福になったのかと問いかける本書は、政策提言の書だ。新自由主義の最大の問題点は、人々に痛みをだれに押し付けるかを争い、他者への不信感を植え付け↓2020/11/29

Francis

20
小田原在住の財政学者井手英策さんの新著。後半の政策低減の部分は今まで井手さんが提唱してきたこととそれほど変わっていない。むしろ本の前半で展開される1990年代以降「新自由主義」がどうして多くの日本人の心をとらえたかを歴史をさかのぼって検証しているところが本書の注目すべき点。本当によくぞここまで調べて考察されたと思う。そしてこの本を読んでかつてブレーンとして関わった旧民進党の後継政党の政治家たちが井手さんの構想を実現しようとしないのかも理解できた。彼らも新自由主義に踊った人たちだったから、なのだ。2020/06/25

ta_chanko

14
石油危機後、貧しい人だけ救済すれば皆が幸せになれる高度成長期は終わり、バブル崩壊によって法人税増税も限界に達した。その結果、法人税・所得税は減税され、消費税は増税、不足分は国債の発行で補うようになった。国債発行額は年々増加し、社会保障給付は切り下げられた。世論も規制緩和・民営化・財政支出削減を受け入れて新自由主義を支持した。結果、世知辛い自己責任論がまかり通り、格差も拡大していった。2020/09/08

くものすけ

13
消費税増税に対する国民の忌避反応の説明がわかりやすかった。欧米各国他は日本より高率であるにも関わらず、反対する根本的要因は昔の財政投融資(国民の預貯金を原資として貸し出しを行う)税という形ではなかったことが一因とか、、、最近でも政府TOPから良く聞く言葉に「自己責任」があるが、この言葉で切り捨てられたら堪ったものではありません。2020/07/13

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