ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか

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ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか

  • 著者名:山内一也【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • みすず書房(2020/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622089261

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内容説明

現代社会のあり方そのものが新型ウイルスの出現を促してきた。エボラから新型コロナまで、数々の事例で人類とウイルスの関係を俯瞰。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

90
20世紀後半以降、人間社会に繰り返し出現するようになった新たなウイルスによる「エマージング感染症」。マールブルク病、ラッサ熱、エボラ出血熱等々…そしてSARS、MERS、今回のCOVID-19などのコロナ・ウイルスによる感染症も。各感染症の発生経緯や社会と医療者、研究者の対応について振り返る。本来、自然宿主と野生動物の間に留まっていたウイルスが、人間の活動域の拡大により、人間社会に侵入。そして人々の移動が頻繁になり、短時間で長距離の移動が可能になったことで、感染の状態は深刻に、対策はより困難になっている。2020/09/26

アキ

84
COVID-19感染まで解説があり良書。著者は長年国立予防衛生研究所でウイルス研究に従事。動物由来感染症のうち1993年にエマージング感染症と定義されたものには、エボラ出血熱のように小説「ホット・ゾーン」の題材になったものからアフリカ大陸で広がるハンタウイルスなど日本では馴染みのない多くの感染症がある。その原因は人間の活動が野生動物の生育環境に入り込んでグローバルな人の移動で容易に全世界に広がるようになったこと。バイオハザードは皮肉にも元来戦争を目的とした生物兵器開発から始まった。その公衆衛生の対策は検⇒2020/10/01

yumiha

39
俺はウイルスだぜぃ。宿主に寄生しながら生きてるのさ。細菌のような2分裂なんてまだるっこしいことはしない。宿主の酵素を借りて、一気に増殖するのさ。かつては野生のコウモリたちとひっそり暮らしていたのに、森林破壊とか都市化とか欲深で愚かな人類の方から近づいてきたから、そっちに乗り移ってやったのさ。おまけに愚かな人類は、グローバル化という世界中に俺たちの仲間を増やすことにも協力してくれる。宿主を殺さぬよう、目立たぬように次々と宿主を変えることで仲間を増殖させる有効な手法も学んだぜ。欲深で愚かな人類がいれば安泰さ。2020/11/28

アナーキー靴下

22
本書は2020年8月発行で、新型コロナウイルスについても説明あり。ウイルスとは何か、を軽く説明したうえで、前半は近年のエマージングウイルスの系譜を感染症に絡めて解説してくれる。感染症が切り口になっているので身近な話としてイメージしやすいうえ、ウイルス研究の進歩も同時に理解できとてもわかりやすい。後半はワクチン開発関連。レベル4高度隔離施設の説明などはとても嬉しい。あと、コウモリがウイルスの貯蔵庫、は言われてみればヒト的にその通りだけど今まで気づかなかったしすごくショック。コウモリ大好きなのに…。2020/10/13

21
二〇世紀後半以降、続々と出現したウイルスの話。『ウイルスの意味論』同様、読みやすかった。ウエストナイル熱、エボラ出血熱、SARS、サル痘、ウシ海綿状脳症、トリインフルエンザおよびCOVID-19といった最近の流行からもわかるように、ヒトが短時間で長距離を移動できるようになった結果、ウイルスもまた予測できないスピードで広まっている。著者が関わったウイルス研究、感染症がなぜ繰り返し現れるのか、COVID-19出現の背景、そしてウイルスとの共生。興味深かった。とても勉強になった。2020/11/27

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