内容説明
小さな町工場の息子・山崎瑛。そして、日本を代表する大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。同じ社長の息子同士でも、家柄も育ちもまったく違うふたりは、互いに宿命を背負い、運命に抗って生きてきた。強い信念で道を切り拓いてきた瑛と、自らの意志で人生を選択してきた彬。それぞれの数奇な運命が出会うとき、逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。上下巻をまとめた合本版。
目次
第一章 工場と海
第二章 マドンナ
第三章 父と叔父たち
第四章 進路
第五章 就職戦線
第六章 バンカーの誕生
第七章 BUBBLE
第八章 ロザリオ
第九章 父の遺言
第十章 叔父たちの策略
第十一章 後悔と疑惑
第十二章 挑戦、そして挫折
第十三章 内憂外患
第十四章 お荷物ホテル
最終章 最終稟議
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピース
20
全く境遇の異なる二人のアキラが産業中央銀行に同期で入行する。同族会社の社長の息子の階堂彬と町工場の経営者の息子の山崎瑛。銀行員として二人が絡むことは最初の研修の時のみ。しかし彬の父であり社長が亡くなったことから会社の経営が傾き、彬が会社の社長に就任する。ここから会社を救うべく二人が絡む。それにしてもこれだけ優秀で熱い銀行員は本当にいるんだろうか?ハラハラさせられながらも十分に楽しめた。2021/05/25
花見
1
バーコードなくて、これかどうかわかんないんだけど、、、、? 最初っから苦しくて苦しくて、読むの躊躇した。展開のスピード感と、ワクワク感、そして,2人が似てるようで全く違う環境でありながら、交わるところとか、その他いろいろ含めて人生ってなにがあるかわかんないなーって思った。最後、いい感じに締めたかったのかなーって思うけど、なんか唐突過ぎて?急に終わってしまった感じある。なんか、原作終わってないドラマ見てる感じ。完全に読み取り不足かもしれないけど。経営とか全然知らない世界を知れて、楽しかった。そして、不安に。2022/11/10
d3
1
誰しも弱点は抱えているものだが、自分の弱点について気づいていない人もいる。多くの人にとって、弱点から目を背けて生きていけるように社会は設計されているからだ。 しかし逃げ道がなくなれば、ザルに残った澱のように弱さは露呈する。弱さを認めるには勇気が必要だ。受け入れることで再生への道が開ける。 経済によって揺れ動く人々の思惑が、成長とは何かを語りかけてくれる。2020/10/06
久七郎
1
池井戸さんらしい、銀行のあるべき姿、正義を描く作品。 資金繰りを中心に、経営の難しさを、同族経営の家族模様と共に展開するので、なかなか読んでいて苦しくなった。 意外と、アキラとあきらは絡まなかった。笑2020/09/16
salah
0
家庭環境が全く違うアキラとあきら。 こんなにも育った環境が違うふたりなのに、 思いやりがある。 最大の危機に直面した会社を アキラとあきらが 何としてもでも、一族、従業員の家族を救う策を立てる。 銀行により、救われるもの、家族の幸せを奪われるもの。 会社の業績と融資。その裏側での駆け引き。 会社の仕組み、身売りとはこういうことなのか。2023/10/21