下級武士の田舎暮らし日記 - 奉公・金策・獣害対策

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下級武士の田舎暮らし日記 - 奉公・金策・獣害対策

  • 著者名:支倉清/支倉紀代美
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 築地書館(2020/08発売)
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  • ISBN:9784806715924

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内容説明

下級武士の日記から読み解く、江戸時代中期の村の暮らし。
度重なる洪水に、武士たちはどのように対処したのか。
田畑を荒らす猪の対策に、農民は銃を持てるのか。
武士と百姓は一つの村の中でどのような関係にあったのか。
伊達藩御鳥見役(鷹狩の世話役)として農村で暮らした下級武士が
40年以上にわたって記した貴重な記録を解説する。

目次

はじめに

享保元年(1716)
小鳥・落鳥といえども捕るべからず

享保2年(1717)
屋形様の狩
権現森、山追
武家諸法度(幕府法令)
飯米麦の通行許可証
預御林、巡見衆宿泊所用材を伐採
未検地の知行への課税
【コラム】伊達吉村
【コラム】矢嶋喜太夫預御林

享保3年(1718)
江戸上屋敷類焼「難儀たるべし」

享保4年(1719)
杉苗1000本植林
鳥の捕獲を禁ずる
矢嶋喜太夫、借金
大不作、米価高騰

享保5年(1720)
相対済令(幕府法令)の一部変更
猪防ぎの空鉄砲許可
矢嶋喜太夫、御鳥見横目に就任
麦と大根、不作
猪防ぎ延長
年末支払

享保6年(1721)
駄送、許可願
猪防ぎ、今年も願い出る
北上川堤防と広渕大堤土手、決壊
決壊箇所修復の願書
明野(狩猟解禁)願
物成小割帳(年貢割り付け帳)
【コラム】課税と納税

享保7年(1722)
郡方御用を志願
家督養子願
家督並み御目見得

享保8年(1723)
藩主御野入(狩)、矢嶋屋敷にて御昼
乾字金切替(仙台藩の御触)
江戸中御改(江戸町人の人口調査)
【コラム】村と町
【コラム】狩の獲物

享保9年(1724)
杉300本、拝領願い出る
諸物価、値下を命ず(幕府法令)
広間造作開始
幸之丞、御目見得
屋形様宿泊所、修繕
藩主御野入(狩)、矢嶋家で昼食
「重」の字を憚り、親子で改名
米価下落

享保10年(1725)
今年も杉300本拝領願い出る
御出駕祝儀振舞
京都に絹織物注文
山追い鹿狩
吉村から御詠歌を賜る
歌をやったけは
御詠歌表具のため登仙
涌谷方面で御鷹野(鷹狩)
米価安
公方様昇進(うわさ話)
【コラム】江戸時代の肉食
【コラム】米価の変動

享保11年(1726)
参勤交代、下向
譜代下人に褒美
杉22本伐り出す

享保12年(1727)
玉入鉄砲許可願い
仙台大火、1571軒焼失
石巻鋳銭場、設営

享保13年(1728)
違法なむかい網、発見
石巻で銭、鋳出
公方様日光社参
参勤交代・下向、潮来水郷地帯を通る
雲雀を捕獲
洪水、23万石余の被害
給人、猪対策を出入司に献策
四季鉄砲御免かなわず
矢嶋喜太夫、神道を信仰
仙台藩の享保の改革(倹約令)

享保14年(1729)
猪防ぎ鉄砲、従来通りの期間で申請
防鉄砲許可、人により異なる
将軍吉宗御落胤、天一坊
山城国百姓、186歳(廻状の写)
御預山の由来
屋形様、濱御殿に上府のご挨拶
幸之丞前髪願
大肝入御役料屋敷
相対済令廃止(幕府法令)
金利引下令、幕府法令に倣う
店賃・地代等引下令

享保15年(1730)
無利息で貸します(うわさ話)
玉入鉄砲この末年々御免
矢嶋喜太夫、仙台北六番丁屋敷を取得
公儀による米価下落防止策(うわさ話)
屋敷内の杉売却
長屋建築

享保16年(1731)
人別送り状、矢嶋家中に三人引き取る
暇証文、矢嶋家中の二人解雇
江戸の大火
広渕村惣水落樋差し替え
和渕村惣水落埋樋差し替え

享保17年(1732)
飯米買付
雲霞大発生、各地で御祈祷
矢嶋喜太夫実弟、太田権右衛門落命
太田家の家督争い
【コラム】矢嶋喜太夫の身代五貫七四八文

享保18年(1733)
家督願の案
家督願、文言直し
役所に提出したまわりくどい家督願
御帳役から訂正指示、再々度の願書
付札、またまた訂正指示
家督を仰せ渡される
御目見得
切支丹証文案紙
医師証状添付のこと(仙台藩の御触)
年長者の養子禁止(仙台藩の御触)
天下の疫病、万民床に臥す
太田助兵衛登仙祝儀振舞
償い代
【コラム】御目見得

享保19年(1734)
侍井土手普請
人数改、矢嶋家中二人増える
「喜太夫も出居ったか」冥加至極
杉売却、小袖を買う
幸之丞結納
祝儀振舞
【コラム】アンバランスな男女比
【コラム】系図と墓石に見る女性

享保20年(1735)
「喜太夫、久しいな」
御献上物
神人感応、奇特を得たり
夜食御酒拝味
献上物は梨5つ
御獲の鳥、拝味
獲物二三也
白鳥御吸物拝味
朝日山で屋形様を見送る

寛保3年(1743)
188歳(うわさ話)
水鑑京清居士(うわさ話)
吉村、隠居御屋敷に移る

延享元年(1744)
もみの木売却、川海上通書付発行
新藩主、御国入り
御国入り、御祝儀、能見物と料理頂戴
猪討止・射止の許可(藩の御触)
仙台北六番丁屋敷の借地人
瀬上玄蕃、鹿又村に移封
御扶持質入れ制限(仙台藩法令)
瀬上玄蕃知行内の足軽屋敷(借地許可の手紙)

延享2年(1745)
喜太夫58歳、御鳥見退役願
退役の御褒美、銀子一枚
琉球人を乗せた薩摩船、漂着
嫡子幸之丞、御鳥見役就任
冬の大嵐

延享3年(1746)
屋敷の杉100本売り払う
おたり婚礼
瀬上玄蕃初地入

延享4年(1747)
鉄砲解禁になる
鉄砲、御役代
【コラム】農具としての鉄砲

寛延2年(1749)
伊達郡桑折代官所で百姓一揆

寛延4年(1751)
大雪にて鳥が殞る

宝暦元年(1751)
大屋形様御卒去

宝暦2年(1752)
松前の毒魚

宝暦4年(1754)
鳴神という獣の降りたる咄

宝暦7年(1757)
喜太夫隠居

付録
矢嶋家系図
矢嶋家文書

あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

楽駿@新潮部

29
品川図書館本。下級武士とあるが、浪人でもなく、きちんと宮仕えしている宮城の山間部の当時の状態がわかる。何回も繰り返されるのが、猪対策。殿様のお狩場であると、一般人は狩りができないので、鉄砲を使用できない。けれどその実害があまりにひどく、空砲の期限付き使用許可になり、やがては、武士のみ期限付き使用許可。更に農民までが期限付き使用許可される。これだけ考えても、実害の大きさも然り、武士の力の低迷も想像できる。江戸時代後半の流れが、推察される1冊。興味深い1冊だった。2020/02/01

ワッピー

24
仙台藩士矢島喜太夫の40年分(吉宗・家重時代)の記録。現代語訳で読みやすい。拝領した知行地(現在の石巻市須江字瓦山)での農業経営のほか、藩林の管理、藩主の狩りに同行する御鳥見横目を務め、記載されている内容は、材木の出納、農地を荒らす猪を追い払うための鉄砲の使用許可(最初のうちは空砲、のちに実包)、藩主吉村の狩りのルートや成果を中心に米相場、河川の決壊、うわさや幕府触書、一揆の有様など広範にわたる。狩りに来た藩主吉村が喜太夫をつかまえて「いつも外してばかりではないぞ」と軽口をたたく人間臭さが妙にうれしい。2020/03/08

かーんたや

2
拙者かねてより困窮する者にて自力では修繕できませぬ2020/01/25

1
うん年振りに歴史研究的な本を読んだ。当時の生活が分かりやすくて良い!噂話好きだな〜とか、猪めちゃくちゃ出てたんだなとか、鳥があんなに厳しく管理されてるんだなとか、診断書添付して上司に渡すのは何百年経っても変わらないんだなとか…。違うのも読んでみたいな。2020/08/03

コーリー

1
仙台藩士矢嶋喜太夫が享保元年(1716)から宝暦7年(1757)まで42年間書き溜めた『ニ樅亭見聞録』という古文書を丁寧に解読し、現代語訳をして、解説を付し、本にまとめている。単にくずし字を解読するだけでなく、現代語訳をして文意をつかむという基本的だが大切な作業を怠らないことが重要だと、この本を読んでいて再認識した。2020/02/07

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