内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
北海道新聞文化面での連載(16年8月~20年2月)に加筆修正し、単行本化しました。笑ったり、考えたり、思い出したり、忘れたり。奇妙な星(地球)、おかしな街(東京)でのほのぼのとした癒されるエッセイ集です。ベスト・エッセイ(日本文芸家協会)にも毎年選出。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
吉田さんが訪れたことがない北海道の新聞に連載されたエッセイ集です。吉田さんの作品はどれも肩の力の抜けた感じがよくていつも楽しませてもらっています。このエッセイでも様々な話題をうまく自分のものにされているようです。「甘いコーヒー」や「時刻表」などが印象に残りました。2024/12/10
nico🐬波待ち中
109
吉田さんのエッセイはこれが初めて。吉田さんの経験された実体験よりも妄想話が面白かった。吉田さんの描く物語そのもののようで、その発想がいかにも吉田さんらしい。「天国」は自分の記憶によって創られた世界で「天国」に到着したら探偵を雇って再会したい人(故人)を捜索する話、持ち運べる「夜の鞄」の話、体の中の状態を瞬時に読み取って病気等の警告をしてくれる「ミラー」の話等々、本当にあったら面白いだろうと思わせる、ちょっと不思議でユニークな吉田ワールドに惹き込まれた。いつかこれらの妄想話から新たな物語を創ってほしい。2020/10/24
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
103
☆5.0 エッセイとのことだが、創作話といわれてもおかしくない、そんなふんわりとしたお話し。吉田さんは安心して読める。2021/07/09
吉田あや
89
著者のエッセイは、現実に起きている事と脳内で感知し思考している事が混ざり合って、どこか少し重力の軽い涼やかな世界での話を垣間見るようでいて心地いい。水についての話から広がり、生まれてすぐは人間の乳を飲むことが多いのに、なぜ牛の乳を飲むようになるのかと、宇宙人との会話にまで話が伸びゆく〈遠いところ〉が楽しくて大好き。箱を開いただけで、しんと静かな夜が訪れる、ポータブルサイズの〈夜の箱〉も想像するだけで心ときめく。(⇒)2020/08/06
けんとまん1007
85
クラフトエヴイング商会でもある吉田篤弘さんのエッセイ集。吉田さんならではの文章の世界。静かであって、透明感があって、温かさも、ユーモアとウィットもあって、本当に心地よい世界。しかも、文書のページが便箋のようなレイアウトになっていて、うまくマッチしている。どの題材も、おおげさでなく、日常の暮らしの中にあるものだからこそ、伝わってくるものも多い。2021/01/01