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内容説明
なぜイラン高原の辺境から、世界史上に輝く二つの帝国が生まれたのか?
ハカーマニシュ(アケメネス)朝とサーサーン朝、気鋭の研究者がその興亡を描く、世界史ファン待望の一冊!
ペルシア悲劇、ペルシア絨毯を生んだ、哀調を帯びた神秘的な桃源郷。
しかし、古代オリエント期のペルシアは、リアリズムの極致というべき世界だった!
急激な都市化、海のシルクロードの掌握がもたらす経済的繁栄。
西アジアからエジプトまで支配するに及んだ壮大な組織力と軍事力。
くりかえされる宮廷クーデターと兄弟間の殺戮……。
そしてリアリズムの塗料が剥げ落ちた時、古代ペルシアに衰亡が忍び寄る――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
50
ハカーマニシュ(アケメネス)朝とサーサーン朝の一般向け通史。2020年刊。著者の専門は古代中世イラン宗教思想史。こう言っては何だが、なんでイラン高原なんて辺境から出た政権がオリエントを統一し、ローマ帝国と向こうを張る大帝国を建設できたのか常々疑問に思っていた。本書によると前者は早い段階でメディアの騎兵部隊を、後者はパルティア系大貴族を味方につけたことが大きな要因とされており、要するに遊牧由来の兵力を活用できたことが大きいらしい。色々と問題点も指摘されているようだが、古代イラン史の大枠を掴むことはできる。2020/11/15
健
27
『アケメネス朝ペルシア』が面白かったので、ササン朝についても知りたくなって手に取った。前半はアケメネス朝ではあるが著者の拘りでペルシア語発音で皇帝名が記されているので先の本と内容を一致させるのが大変だった。ササン朝については興味深く読み進めることが出来た。中期について記された記録が極めて少ないとのことで、そのころの実態は良く分からないとのこと。それでも、ビザンツ帝国と覇を争っていたそうだから、もっと光が当たっても良いような気がする。それもこれも記録が少なく、後継国の不在、地域の停滞のせいなのだろう。2022/01/17
ゲオルギオ・ハーン
26
質、量ともにちょうどいいペルシャ帝国(ハカーマニシュ朝からサーサーン朝)の概説書。皇帝たちを中心に描いており、著者の青木先生は講義のように概説を記述しながら感想を述べているので読んでいて退屈しない文章になっている。興味深いのはサーサーン朝の興亡もそうですが、ハカーマニシュ朝についてでした。高校の世界史の教科書ではさも中央政府が出来ているような記述がされていましたが、実際は連合王国的だなと思いました。王の目や王の耳、王の道は思ったより限定されたものではないかとも思いました。2020/10/21
六点
25
所々出てくる軽口やツッコミに「うん?」と、思い著者紹介を見れば既読の『アーリア人』をお書きになった先生であった。ハーカマニシュ朝とサーサーン朝の2つのペルシア帝国の歴史を、日本の読者に紹介しようと言う熱意に相応しい、熱量のある本である。ホスロー二世は英雄と狂人は紙一重であるなと、思わざるを得ない。コンスタンティノポリスを陥落せしめていたら、一体どのような「世界史」になっていたのであろうか?殴り合って疲弊したローマとエーラーンの合間を突いて、急成長したイスラムに世界史の妙味を感じた。2020/09/01
rokubrain
23
古代に時代を隔ててオリエントを統一した2つの「ペルシア帝国」の 初代から最期まで全ての国王を順に網羅していく まじめな内容だった。 イラン学者らしく言葉に忠実に古代ペルシア語が出て来て、なかなか頭に入っいかないのに難儀したが、 こちらはシロートなので、そのなかでも何かきっちりイメージできるものが見えてくれば、と頑張って読み通した。 プロローグとエピローグに知りたいことが集中していた。2021/03/20
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