ぴりりと可楽!

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ぴりりと可楽!

  • 著者名:吉森大祐【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 講談社(2020/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065205778

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内容説明

お笑い興行が禁止されて100年。旦那衆の道楽となった「お笑い」を、庶民の娯楽へと飛躍させた江戸落とし噺の元祖・三笑亭可楽のまっしぐら人生!

三宅裕司さん、春風亭昇太さん、大絶賛!

櫛職人の又五郎は「お笑い」好きの粋な旦那衆が揃う〈噺の会〉の下っ端ながら、大坂からやって来たお笑い芸人を向こうに回し、ここでやらなきゃ江戸っ子の名折れとしゃしゃり出る。が、急ごしらえの寄席はたった五日で店仕舞い。自分のあまりの不甲斐なさに江戸の街を飛び出した又五郎、百戦錬磨の芸人たちが集う街道沿いの宿場町、越ヶ谷・松戸で揉まれて丸二年。修行の末にようやく掴んだ前代未聞の即席芸〈三題噺〉で一世一代の大勝負に打って出る!

又五郎「確かにおいら、頭の軽い江戸っ子よ。いつも思い付きでおっちょこちょいをやっちゃあ、周りに迷惑をかけてきた。難しいことを考えるのは苦手だし、もとが無学な職人だ。だがなあ、この三題噺ってやつは、ただの思い付きじゃァねえ。今度は違うんだ。――おいらだけの創意工夫だよ」

於奈津「あたしを嫁にしたいだろう? じゃァ、いくらでも待ってやるから、かならずイイ男になって迎えに来て!」

源兵衛親方「いいか、又五郎。生きるってえのは、そりゃァ苦しいもんだ。若え頃に、心の中にある『言い訳』ってえ阿片に毒された半端モンはな、いつか必ず、生きる苦しさに負けて、あれやこれやと言い訳をしては楽に逃げこむ。女房子供を育てるてえ、お天道様との当たり前の約束から、言い訳まみれで逃げ出そうとしやがる。そういう半端なクソ男のせいで不幸になった女子供を、この町でたくさん見て来たんだ。於奈津だけは、そんな男にゃァ触れさせねえ」

小鉄「アニキは顔がよくって背が高い。粋でイナセな江戸職人で、何をやらせてもうまくやる。おいらを見ろ、奉公先ではバカ扱い、〈噺の会〉では下手扱い。女にゃモテず、顔も悪けりゃ屁も臭い。そんなおいらがガキの頃から一緒のアニキのためになんかやろうと思って何が悪いんだ!」

左団次「貴殿は拙者にとって師匠でござる。下谷稲荷での勧進のおり、酔客の狼藉に動揺した拙者をかばって舞台に飛び出し、師匠はおっしゃった。『あるもん全部さらして生きるしかねえんだよ。汚かろうが下手だろうが、面白かろうがツマらなかろうが、これが左団次だ』と。恥ずかしながら拙者そのものでござる。拙者、このような言葉をいただいたのは、生まれてはじめてに候。この感激、命を賭すに値すべきもの」

大田南畝「新しきものはバカが創ってきた。手前のような小賢しい年寄りは、なにかとうじゃうじゃ文句を付けて、新しきものをつぶしてしまう。今日登壇する奴らはわずかに二十代。正真正銘のバカであるゆえ、安穏に新しい事ができるのでございます」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

66
カバーイラストがイケメンすぎるやろ、と思いつつ読み始めたけれど、実際に初代可楽はイケメンだったんですね失礼しました。江戸で初めて商業ベースにのる寄席を作り三題噺で人気を上げハナシカという職業を確立した三笑亭可楽の話。最初はスベッて失敗して悶々としてもすぐ立ち直る可楽のキャラがいい。初代林家正蔵と三遊亭円生の三人の友情のようなものもいい。あまり登場しないけれど妻の於奈津の迷いのなさも好きだ。山椒は小粒でもピリリと辛い…って可楽は小粒じゃないだろうよ。2020/12/09

fwhd8325

66
ほぼ伝えられている通りの初代可楽の物語。とてもテンポがよく楽しく読むことができました。可楽は名跡で現在も引き継がれています。初代は、三題噺の祖と言われています。この著書にも三題噺誕生のエピソードが描かれています。演芸がブームとなり、このような作品に出会えたことは、とてもうれしいです。寄席では江戸の風が吹くと形容されますが、この著書は、まさしく江戸の風を感じさせてくれる。粋でいなせ、そんな言葉がしっくりきます。2020/10/06

kei302

63
表紙のイラストの雰囲気のまま、サクサク読める。 江戸に落語のプロを根付かせた三笑亭可楽や当時の出来事をもとにした話。 テンポよく進んで、明るい気分で読み終わる。改行多過ぎ。2021/01/06

fuku3

18
2020年12月21日読了。吉森大祐氏初読み。寛政10年(1798)櫛職人の又五郎は下谷稲荷で江戸で初の寄席を開いた!寛政の改革のご時世!公序良俗の風紀を乱すとして小噺等はご法度であった!又五郎は自分の未熟を憂い府外に修行の場を求め越ヶ谷、松戸で精進し多くの仲間に出会い、水戸徳川筆頭家老から三笑亭可楽の名を頂く!寛政12年可楽は再び江戸で一座を旗揚げした!可楽独自の三題噺を江戸で初披露し大喝采を浴び江戸中に可楽の名が広まった!可楽の代名詞、三題噺はその難しさ故、死後50年間封印され明治まで誰も行わない! 2020/12/21

Book Lover Mr.Garakuta

9
図書館本:江戸落語家の話。2021/02/27

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