プロボノ - 新しい社会貢献 新しい働き方

著者名：嵯峨生馬

勁草書房（2020/08発売）

• ISBN：9784326653621

内容説明

日頃仕事に勤しむ社会人が、自らのスキルと少しの時間でできる、プロボノ。今、この、従来型ボランティアでも寄付でもない、新しい社会貢献活動を始める人が増えている。その立役者たる著者が、社会的背景を分析し、活動を成功に導くポイントや、「ふるさとプロボノ」などわが国の公共領域への活用も提言する。本邦初プロボノ決定版。

目次

序章　プロボノ人間模様

第１章　プロボノとは
　１　プロボノとは
　２　豊かなボランティアスタイル
　３　社会貢献活動のスペクトル
　４　米国で起きたイノベーション
　５　日本での関心の高まり
　６　システム化されたプロボノ

第２章　ＮＰＯの課題とニーズ
　１　「非営利」という思考様式
　２　ＮＰＯにとっての「成果」
　３　資金調達という大問題
　４　多様なステークホルダー
　５　ボランティアという資源の困難
　６　「番頭」が広げるチャンス

第３章　プロボノワーカーたちの横顔
　１　ボランティアとは縁遠かった人々
　２　「ソーシャル」に向かうビジネスパーソン
　３　プロボノワーカーの参加動機
　４　プロボノの実感

第４章　「成功するプロボノ」の条件
　１　「開かれたシステム」の可能性
　２　プロボノのリスク
　３　マネジメントインフラの構築
　４　プロボノプロジェクトを企画する
　５　機能する事務局と運営モデル
　６　「成功するプロボノ」の条件

第５章　「公共善のために」──プロボノの使命
　１　ニューパブリックマネジメント
　２　「協働」の三類型
　３　公共領域における可能性
　４　神奈川県との協働事業
　５　ふるさとプロボノ
　６　プロボノの基盤となる行動基準

終章　プロボノ──二〇二〇年

跋文　人と人をつなぐ──東北関東大震災を乗り越えるために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[おさむ]

ラテン語で、公共善の為にという意味の言葉であるプロボノ。ボランティアとは違い、プロフェッショナルとしてのスキルを社会的公共的な目的の活動の為に役立てること。基本的には無償で行う。米国の弁護士で有名だが、日本でも次第に浸透してきているんですね。昔の日本は稼ぎと務めの両方をやって初めて一人前の大人と認められた。サラリーだけではない何かを求める動きはこれから益々広がっていく気がします。

2017/11/18

[壱萬弐仟縁]

社会的・公共的な目的のために、自らの職業を通じて培ったスキルや知識を提供 するボランティア活動」（２４頁）。 社会・公共的目的。職業上のスキル・知識。ボランティアの一種。 成果による協働を実現するしくみ（１５８頁）。 問題は大都市に偏在していること（１６４頁）。 その問題を受けて、ふるさとプロボノを提唱している。 地域をスキルやノウハウで支援する（１６６頁）。 そして、ビジネス思考とマーケティングの視点を 持ち込むことにより、行政にもイノベーションをもたらす（１６９頁）。

2014/04/04

[トッシー]

プロボノという聞き慣れないタイトルが目に留まった。意味は？というと、社会的・公共的な目的のために、自らの職業を通じて培ったスキルや知識を提供するボランティア活動のこと、とある。その参加者にはどんな期待が？①視野が広がったり新しい発想が生まれる②社会問題に対する知識の習得に繋がる③社外の人とのネットワークが広がる　社内ではできない経験から、仕事のスキル向上より長期的視点から自己成長に繋がる可能性に期待する。『人との関わり方次第で成長できる。』これに気づいた人は自分の可能性が広がるソーシャルな世界へと旅立つ。

2011/09/25

[あのあの]

★★★☆☆：プロボノとは何か知るために読む。とても面白いやり方。自分でも何か出来ないか考えるきっかけになった。早速登録しよう！

2014/02/22

[じゅんぺい]

最近始めたプロボノ活動の理解を深めるために手に取った本。活動内容であったり進め方について、何故なんだろう？と思うことが多かったが、この本読んでよくわかった。NPOって今まであんまり意識したことがなかった。単なる慈善事業かなとしか考えてなかったが、解像度が格段に深まった。

2021/10/20