内容説明
2005年刊行の旧版は、医療倫理学を学ぶための定番テキストとして医学部や看護学部で数多く採用され、版を重ねてきた。刊行から10年以上を経て、現在の視点から見て古くなり不正確となった情報をアップデートし、新たに再生医療と脳神経科学の章を設けることでこの間の分野の進展に対応。旧版の特徴を生かしつつバージョンアップした改訂版!
目次
改訂版へのはじめに[赤林朗]
はじめに[赤林朗]
第一部 基礎篇
I 倫理学の基礎理論
第1章 倫理学の基礎[児玉聡]
第2章 倫理理論[奈良雅俊]
第3章 医療倫理の四原則[水野俊誠]
第4章 その他の倫理理論[堂囿俊彦]
II 法と医療倫理の基本概念
第5章 法の基礎[稲葉一人]
第6章 医療行為と法[前田正一]
第7章 医療従事者・患者関係[額賀淑郎]
第8章 インフォームド・コンセント[前田正一]
第9章 インフォームド・コンセント2[水野俊誠]
第10章 守秘義務と個人情報保護[稲葉一人・奈良雅俊]
第二部 各論
第11章 生殖医療[奈良雅俊・堂囿俊彦]
第12章 遺伝医学[額賀淑郎]
第13章 再生医療[山本圭一郎]
第14章 脳神経科学[中澤栄輔・瀧本禎之]
第15章 脳死と臓器移植[児玉聡]
第16章 終末期医療[水野俊誠・前田正一]
第17章 医療資源の配分[児玉聡]
第18章 医療事故[前田正一]
第19章 研究倫理[額賀淑郎・赤林朗]
おわりに[赤林朗]
BOX一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Schuhschnabel
3
旧版は読んだことがあったが、大学院入試対策として改訂版を再読。まさしく「医療倫理」の教科書なので、医学部での教育には使えるだろうが、文学部や教養科目としての「生命倫理」の教科書や参考書には向かないかも。内容的には、逆に変な感じがするくらい、各章の執筆方針が統一されている。結局、医療倫理の四原則は、倫理的ジレンマの交通整理をしてくれるだけで、「答え」は導けないのかな。2018/08/15
げんさん
1
人工妊娠中絶の件は、胎児が生きるために母親の身体を利用する権利をもつのが、母親が胎児にそのような権利を与えた場合だけであるという考えで結論づいたと思っていたが、本日、米国で中絶権利認めた判例覆す最高裁の多数意見草案がリークされ、問題になっている。倫理は難しい。2022/05/03