内容説明
1995年に「安心して暮らせる21世紀の社会を目指して――社会保証体制の再構築に関する勧告」が出され、高齢・長寿社会を展望する新しい社会保障制度が発足しつつある。こうした制度の再編の方向性を明らかにするためには、これまでの体制の基礎であった1950年勧告に示されたシステムを検討する必要がある。本書は、戦後日本の社会保障制度が、どのような理念と体系をもつものであったかを実証的に探るものである。公的年金制度と国民皆年金体制に焦点をあて、その成立過程を追求するとともに、制度がはらんでいた問題点と今後の課題を明示する。