人間の知恵の歴史 宗教・哲学・科学の視点から(復刻版シリーズ(1)古代篇)

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人間の知恵の歴史 宗教・哲学・科学の視点から(復刻版シリーズ(1)古代篇)

  • ISBN:9784434274718

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内容説明

本書は「哲学をやる者」にとっての「全体としての概観」を提供することを目的とし、危機的な時代もしくは現実と向き合った著者が「貧しさ」を自覚し「生きる知恵」を求めた記録です。
著者のいう「知恵」とは、人間の生き方を問う「知恵」のことであり、それにはとくにすぐれたものとして、「宗教・哲学・科学」という三つのタイプがあると言うのです。
古代の農業革命、近代の産業革命、数えきれぬ戦争の数々、血なまぐさい殺りくをくりかえす支配・被支配のどんでんがえし、思想的にもフランス大革命がある。しかしこういう革命とか危機にたつ人間を、救ったりふるい立たせたり豊かにするものがあった。それが人間の知恵であり、宗教や哲学や科学などの「生き方の知恵」であった。(「序説」より)

つまり、「知恵」が必要とされるのは、歴史的な危機に直面し、その危機の中で人生観・世界観・人間観が揺さぶられたときなのです。とくに、注目すべきことは、知恵は人間を救うというだけでなく、ふるい立たせ、豊かにすると言われていることです。

確かに、私たちの時代においても、凶悪犯罪、東日本大震災、福島原発事故、世界的流行病(パンデミック)など、歴史的に記憶されるべき事件が起きています。それによって人生観・世界観・人間観が揺さぶられた人、再考した人もいるでしょう。また、ネットを含むメディアによる情報の洪水によって画一的な思考に自分が染められてしまっていることに気づいて愕然とした人もいるでしょう。あらゆるものが相対化され、多様な価値観の衝突が随所で起こり、流動する現実に身を委ねるしかなく、常に不安定な状態、激しい競争の中に置かれているのが現代人です。(「まえがき」より)