内容説明
気ままなフリーター生活を送る浅井航は、ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社「デッドモーニング」で働くことになる。そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だが、飄々としている笹川も何かを抱えているようで――。 生きることの意味を真摯なまなざしで描き出す感動作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
81
フリーターが拾われたのは『特殊清掃専門会社』。遺品整理や、住人が亡くなった跡を消す仕事。その死も様々。孤独死、自殺、心中などなど。残された遺族の反応も様々。部屋の清掃場面はなかなかにリアルで食事をしながら読むのはかなりキツイ。自分の命より大切な誰かを亡くした時、残された人はどうなるのか。悲しみという暗闇の中から出るも留まるも本人次第。クラゲのようなフリーターの成長と、暗闇の中からの再起。生きてるという事を無駄にしてはいけない、一生懸命に生きなければという気持ちにさせられる。2022020/09/04
凛
57
孤独死、自殺など、わけありの死に方をした人たちの部屋を片付ける特殊清掃専門会社「デッドモーニング」。飲み屋で知り合った笹川に誘われて、そこでバイトすることになったフリーターの浅井。その人の生きていた痕跡と、その死というものの痕跡が生々しく残る部屋で、それを消していく仕事。現場の描写はなかなかにグロく、だからこそリアル。初めは逃げ出し、時には失敗しながら、生と死とを見つめる仕事の中で成長していく浅井と、ずっと暗闇の中にいた笹川の変化が良かったな。造花であろうと、現場に供えられる一輪のスイートピーに救われた。2021/02/27
はつばあば
51
先日「営繕かるかや奇譚」を読了した後にこの本を。本が本を呼ぶのでしょうか。特殊清掃ですから色々な死後の後始末のお話で、死は家で迎えたいとか病院で~なんて希望が通るわけではない。それでなくても殺人事件に巻き込まれる事もあるし、家で突然亡くなっても誰も傍に居てくれなきゃ孤独死だし、虐待死もあれば自死もある。きつい話である。序盤そういう清掃描写のところで主人公の行動に笑ってしまったけれど、今迄そこに人が住んでいて生活してたんだ!、それはいずれ私であるかもしれない。そう思うと笑ってなどいられない。やっぱり断捨離か2022/09/21
さくりや
51
面白かった!!私個人の死生観でいうと完全に原始仏教の影響を受けており「死が苦しいのは生きているから」とか考えているのだが、そんな風に考えていたら誰の死も受け止められないね。語り手・浅井が今時のよくいる若者なのが印象に残った。死んだらごみ同然に扱われる人間、悲しみの市から帰さぬ人間、色々いるが私は確実に前者だな笑。せめて大切な人の悲しみを悲しみと思えるように2020/09/09
ぐっち
47
訳ありの死に方をした人達の部屋を片付ける、特殊清掃会社。社長の笹川に巻き込まれて、アルバイトするようになった浅井だが…。清掃会社の方が書いたノンフィクションのほうも読んだことがあり、こういう話は遠慮せずに書けるフィクションも良いなと思った。この作者さんの他の本も読んでみたい。2021/05/09
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