角川学芸出版単行本<br> ベートーベンの真実

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角川学芸出版単行本
ベートーベンの真実

  • ISBN:9784044005696

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内容説明

ベートーベンの魅力は人間としての卓越した個性にあり、だれしもがそれに圧倒され、魅了される。彼の一生は自分自身との戦い、おのれの魂、おのれの信ずるものへの挑戦の連続だった。だからこそベートーベンが生みだした作品はまさに多面体であり、魂のうめきにも似た苦悩から生まれる歓喜の爆発、そして自然や人間に対する心やすらぐ賛歌に至るまで、無限のひろがりを人々に感じさせる。
「バッハは神に向かって作曲をし、モーツァルトは貴族に向かって作曲し、ベートーベンは人間に向かって作曲をした」といわれる、人間ベートーベンに迫る。

※本作品は紙書籍をそのまま再現しております。電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。あらかじめご了承ください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

61
生誕250年に便乗したレベルの低い出版が目立つ中で、この本は、魂が入ったいい一冊だ。タイトルに「真実」とあるが、実は「著者の真実」は、通説とかなり異なる踏み込んだものである。「不滅の恋人はヨゼフィーネ」「エロイカの「ある英雄」とはルイ・フェルジナンド王子」「第9の演奏のためにロンドンに連れて行こうとしたのは、アントニーではなく甥のカール」など、どれもこれも「物言い」のネタ満載である。でも、史実としての正誤は別にして、著者の推論は、ベートーヴェンへの深い理解と愛情に裏打ちされた根拠があり、読者の心に響く。2020/10/09

S.Mori

34
ベートーベンの生涯をまとめた本です。短いながら充実した内容で、社会との関わりや交流のあった人たちのことが分かります。作曲に打ち込むだけではなく、しまり屋で蓄財に長けていたなどの現実的な面も書かれています。結婚を望みながら平民の出なので、音楽を通して知り合った貴族の女性たちとの結婚は難しかったそうです。それは悲しいことではありますが、ベートーベンの音楽に深みをもたらした気がします。ストイックな性格で、結婚している女性には友情以上の気持ちを持たなかったとのこと。この真面目さに共感しました。2020/09/29

彼岸花

27
気付けば生誕250年。初めてベートーベンの伝記を読んだ。美しいカラー写真で構成された内容が素晴らしい。メトロノームのお墓と、苦渋に満ちた表情のデスマスクは、彼の生涯を象徴しているようだ。聴覚障害を抱えながらも、これだけの作品を残すには、健常者でも至難の業である。たぐいまれな才能と、執念を感じた。「人間に向かって作曲をした。」と言われるように、彼の音楽には、信条や信念が注ぎ込まれている。不滅の恋人の存在は、生きる糧である。愛情に溢れた、知られざる一面を垣間見ることができ、とても良かった。#ニコカド20202020/12/30

まろまろ

7
谷さん独自の嗅覚でベートーベンの本来の姿を浮き彫りにし、鷹野さんの写真がそれらに光を当て具現化させている。ベートーベンは元々才能があったとはいえ自己研鑽に励み、誰もが認める偉大な音楽家になるべくしてなったのだ。 偏屈で傲慢という印象が先走るが実は思いやりがあり傷つきやすく、難聴の苦悩から他人との交流を避けざるを得なかったようだ。誰よりも温かい血が流れていることが感じられる。音楽を民衆のものにしてくれた功績には心からの感謝を送りたい。生誕250年という記念すべき年にこの書に出会えたことも嬉しい。2021/09/15

ls529

6
ベートーベンの生涯を様々な資料や取材に基づいて書かれたもの。ある人達のライブ前のSEで、ピアノソナタ『月光』が流れる。そのため、前々からどこかで気になっていた。読む前は、才能に恵まれているけど、人間的には偏屈で孤独な人と思っていた。けれど、実際は大変な勉強家だったし、信頼出来る人達とはとても暖かな関係を築いていたことを知る。また、体調の悪さから心身が追い込まれた状態になっても、音楽への情熱が尽きないところは、音楽の神に選ばれた人かと思いたくなる。2021/10/10

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