サステナブル・ミュージック これからの持続可能な音楽のあり方

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サステナブル・ミュージック これからの持続可能な音楽のあり方

  • ISBN:9784865591668

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内容説明

『音楽療法を考える』やマリー・シェーファーの翻訳などで知られる
臨床音楽学の第一人者が、高度資本主義、グローバル社会における
音楽のあり方を問いただし、持続可能(サステナブル)な音楽のあり方を
模索する切実な問題を投げかける意欲的な論考。

明るく楽しい音楽はどこから来たのか?
なぜウケのわるい難しい音楽が創り続けられてきたのか?
なぜクラシック音楽がえらくなったのか?
なぜ巷には聞きたくないのに音楽が溢れているのか?
どうして芸術家が構想する社会改革は失敗に終わるのか?
なぜみんな音楽から遠ざかりはじめたのか?
──みんな、不要となった音楽の掟にわれわれがしばられているからだ。

音楽によるヒューマニズムの押し売りに辟易しているあなたへ──

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

19
近代以降の音楽システムの限界を輪郭付け、これからの音楽のありかを模索する切実な一冊。悲観的な話も多いが、ここからしかはじまらないということも確かだろう。音楽の感情ビジネス化という点において、クラシック×ポピュラー音楽の対立が見せかけのものであることを喝破してて見事だし、現代音楽の難解さはポップスのわかりやすさと表裏一体だというのも頷ける。一時期話題になったアフリカの車椅子音楽集団スタッフ・ベンダ・ビリリが金銭トラブルで解散してたのはショック。しかし、若尾さんって若々しい文章書くのにもうすぐ70なのか!2017/09/12

qoop

13
西洋文化依存的な〈音楽〉理解批判(西洋文化に依存して立脚している音楽理論への批判でないことに注意)。音楽の実相を探求するに際して正反合の弁証法的な批評の積み重ねによらず、そういった問いだてそのものから距離を取ることで、現代的な音楽通念がどれほど袋小路に入り込んでいるかを追い込んでいく。論旨は痛快かつ明快で多岐にわたる。興味を惹かれるトピックが多々あってまとめきれない。時間をおいて再読しよう。2017/07/16

y_nagaura

9
後づけの言説によって「正しい音楽」が生政治的に成立。音楽は記録メディアに大きく左右される。クラシックと現代音楽が主たる題材であるものの、音楽を思考するためのネタとして、非常に知的好奇心が満たされます。2019/05/09

キニマ

8
音楽がヒューマニズムの媒介物という役目を担ったのはいつからなのだろう。西洋音楽は芸術性を持ちポピュラー音楽は非芸術であるとの考え、ローカル音楽の保護といいアイデンティティを殺した非西洋音楽の括り、意識してもなかなか解けない呪縛からこの本は解放してくれる。一方でバイアスの取れた音楽から何を見出すかは難しい。筆者はサステナブルな世界や音楽を実現することが重要だと語る。我々は現代音楽が背負う商業主義の性質、上演型と参加型の差異、感動ビジネスと文化の刷り込み、楽譜の呪縛など音楽を見つめなおす必要がありそうだ。2018/08/10

Decoy

6
非常に読みやすいエッセイだが、中身はなかなかピリリと辛い。「これ以上、音楽を作る必要があるのか?」という問いは、頭に浮かんだことすらなかった! オーケストラがエコでないという身も蓋もない事実も、初めてハッキリ目にしたかも(うすうすは感じていたが…)。新しい視点をたくさん提供してくれるが、たくさん過ぎて少し散漫な印象も(エッセイ集だから仕方がないが)。続編、さらなる論考が楽しみ。2017/08/01

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