内容説明
その街には、嘘と本当がある──。
WEAVERのドラマー&作詞家としても活動する著者が放つ、世界で一番優しい物語(サイエンス・フィクション)。
人間とAIを持ったロボットが暮らす街・サンクラウド。天才科学者の息子・アルヒは、ひょんなことから幼なじみのサシャ、ロボットのクーとともに、街で最も高い建造物である「知の塔」に忍び込むことになるが……。運命に揺さぶられながらも力強く成長していく少年の姿を描いた長編SF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
38
ロックバンドWEAVERのドラマー河邉徹さんの新刊。人間とAIを持ったロボットが共存する世界が舞台の物語(世界観は漫画「銃夢」にちょっと近いかな)物語に登場するロボットは自分で意思を持っているかのように動くので、人間と行動していてもあまり違和感がない。主人公のアルヒが幼馴染のサシャとロボットのクーと一緒に、街で最も高い「塔」を目指して冒険するストーリーで、急展開が多く最後まで飽きさせない展開が続く。アルヒの成長がテーマで、タイトルの「シンギュラリティ」は非常に重要な意味を持つ。2020/09/08
Tαkαo Sαito
29
WEAVERのドラマーで作詞もされている河邉さんの書かれたSF小説。とても面白かった!マジでそうなるの?と見事に伏線にハマってしまい、想像とは違う方向に持って行かれ、楽しませてもらいました。WEAVERの曲も聞き始めてとても良い曲が多いです。S.O.Sという曲が一番のオススメです笑。2020/12/06
石嶋ユウ
14
人間とロボットが暮らす街“サンクラウド”に住む9歳の少年、アルヒは些細な事から幼なじみのサシャ、ロボットのクーと共に街の中で最も警備が厳重な「知の塔」に忍び込むことになる。だが、その後を境に彼の運命は大きく翻弄されていく… 3ピースバンドWEAVERのドラム担当、河邉徹氏の3作目の小説。 人間とロボットの共存、さらには人と人との関わり方。それが、この作品のテーマである。他者を大切にすることが今もこの先も、きっとこの世界には必要なのだ。そう感じさせてくれる一作である。2020/08/12
青蓮
11
人とロボットが共存する世界観。天才ロボット科学者を父にもつ主人公の少年アルヒが10歳を迎えた日に壮絶な運命が襲いかかる。人間とは、ロボットとは、愛とは、心とは、大切とは何だ…アルヒは成長しつつ真実を知る為困難に立ち向かっていく。「誰かのためを願った時にだけ、奇跡の力を使うことができる。きっと人間だって、そういう風にできてるんじゃないかな」人間とロボットの存在意義を問い掛ける、大変読みやすい作品。この方の作品はとても優しいものが多いと思う。2020/08/16
かおる
5
13歳の頃までに読めばよかったと思うSF小説。 14歳以降、わたしは星新一や新井素子や筒井康隆など無常で安易なハッピーエンドは皆無で、風刺めいたSFばかり読んでしまったのだった。 超高感度AIアルヒ(のゴールドコア)を一人の人間が作った…というのは流石に無茶だなあ。2021/09/23